不思議なひと ページ19
『征ちゃん?』
「赤司征十郎。分かるでしょ?」
『征十郎を知ってる....ってことは、実渕さんは洛山高校の人なんですか?』
「ええそうよ。」
不思議なオーラの実渕さんは、それからほぼ毎日私にバスケを教えてくれた。
私ができるまで丁寧に、優しく。
そのおかげでみるみる上達できた
「ふふ。Aちゃんは妹みたいね」
休憩中、ふとそんなことを言われた
『私も、玲央先輩はお姉ちゃんみたいですよ。』
「もう、可愛いこと言うわね。」
『本当ですよ?』
「嬉しいわ。じゃあ今日は遅いから、もう帰りましょ」
『はい、ありがとうございました。』
玲央先輩に送ってもらってから家に帰って寝る
翌朝はいつものように征十郎と学校に行く
「おはよう」
『ふぁあ.......。おはよう征十郎。』
「眠そうだね、A」
『んー、寝不足かな?』
「ちゃんと睡眠時間をとるんだぞ」
『うん、分かった』
「そういえばAは体育祭の競技は何をやるんだい?」
『私はバスケットボールやるよー。征十郎は?』
「バスケか。俺はサッカーをやるよ」
『サッカー?やったことあるの?』
「やったことは数える程しかないが.......ある程度は出来るよ。」
きっと征十郎の”ある程度”は、人並み以上だろうな
征十郎はバスケットボールだけじゃなくて、スポーツ自体が得意だし。
それから2人で教室に入る
今週は遅くまでバスケの練習をしているから、授業中は少し眠たい。
それでも何とか乗り切って、1人図書室に行く
最初の方はちゃんと自習していたけど、途中から寝てしまっていた
『んー.......』
目を覚ますと、目の前には綺麗な赤い瞳
「おはよう、A。やっと起きたのかい?」
『.......?征十郎?』
「帰ろうか。」
『!?起こしてくれても良かったのに...』
「ぐっすり眠っていたからね。起こすのは悪いかと思って。さあ、帰ろうか。」
『....うん。』
私、征十郎に寝顔見られてた?.....恥ずかしい
2人で玄関に行き、靴を履き替えてから外に出る
「あら、征ちゃんに、Aちゃんじゃないの」
『玲央先輩ー!』
玲央先輩に駆け寄ると、頭を優しく撫でられる
「今日も練習するわよね?」
『はい!』
「Aと実渕は知り合いなのか?」
「ええ。バスケコートで知り合ったのよね」
『うん、毎日教えてもらってるんだー。』
「.......毎日、か。」
「Aちゃんすごく上手くなったのよね。」
『玲央先輩のおかげですよ!』
「あら、そうかしら?」
「それ、俺も参加していいかい?」
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年6月1日 8時