『元』 地味女の逆襲２

逆襲49 ページ5

あ、言い忘れたけど結局中国語は休講になった。教室には私と和くんと宮地さん以外誰もいない。

場所を変えるのも億劫なので、教室で雑談を続行している。

雑談するには学食とかよりも教室のほうが断然いいよ。
特に今日みたいに誰もいなければもう最高。

誰もいないーーー、それはつまり私達だけの世界。



「英コミってことは…Aは将来英語使う仕事に就きてぇんだよな?」



宮地さんの質問に、私は笑顔で「はい!」と答える。


「何をしたいかはまだ決まってないんですけど…観光客に日本の魅力をアピールできる仕事がしたいんです。
宮地さんは?」

「俺は中国語の通訳か、通訳ガイド。それか、中国語圏で日本語教えるか、日本で中国語を教えるのも考えてる。

今年の夏休みは中検準1に何がなんでも合格しないといけねぇ。

第2外国語でも人気な言語なのは変わんねーからな。
倍率高くても、努力して絶対語学界に乗り込んでやるぜ」

「努力家なんですね、宮地さんって」



夢に向かって努力してる人は本当に素敵だと改めて思った。

ふふっと私がいたずらっぽく笑うと、宮地さんは一瞬驚いた顔になる。

けど、理由は別として彼の頬がほんのり赤くなってるのを私は見逃さなかった。



「っ…、そんなことねぇよ…」

「あれー? もしかして宮地さん照れてます?
Aちゃんよかったね! 宮地さんAちゃんに褒められたから嬉しいって‼」

「照れてねぇつってんだろ‼ 焼くぞ‼」

「@☆○×$€△♡‼‼」



若干笑い声も混じったような、ギャーともワーとも言い難い…ざっと言えば文字で表せない悲鳴をあげ、またしてもシバかれる和くん。

全く…英コミ論でのスピーチのときと言い、今みたいになんの躊躇もなく先輩をいじるなんて、和くんは本当に怖いもの知らずだ。

仮にも先輩なのに…


まぁ、その怖いもの知らずな性格は将来思わぬところで役に立つかも…なーんてね。

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