第３話 ページ3
「･･･ただいま。」
家に私の小さな声が響く。
数年前に誰かが、“誰もいなくても家に帰ったら挨拶すると良い”と言っていた。
それを律儀に高2なっても続けてる私は馬鹿、なのかもしれない。
誰も家にいない。
「っふふ。」
頭に浮かんだ“独り”の文字に思わず頬が緩んだ。
ソファーに寄りかかり、スマホを開く。
今日はネッ友の話を読もう。自暴放棄になって、鬱病になった女子高生の話。
『あははっ、綺麗な血だなぁ･･･！もっともっと、
壊れちゃえ･･･！』
ハイライトのない目を大きく開いて、不自然な笑い方をする“誰か”が脳裏に浮かぶ。
「リス.カ、か。」
不意に『リス.カ』と言う行為に興味が湧いた。
時計を見るとそろそろお姉ちゃんが帰ってくる時間。
まあ、いいか。
「カッター、カッター･･･。」
背伸びして文房具を入れたカゴに手を伸ばす。
その時、家のドアが開いた音した。
「あっ」
指が持ち手に引っかかってしまい、ペンやテープがバラバラと落ちてきた。
「A〜？なんの音〜？」
床にカッターが落ちる。
「･･･あった。」
カッターに手を伸ばし刃を出した。腕に近づけた、その瞬間。
「なにやってんのよ!」
大声と共に、「パシッ」と乾いた音がする。気がついたら私の手は何も握っていなかった。
「何が悩んでることでもあるの？」
「んーん。リス.カってどんな感じなのかな、って。」
お姉ちゃんは呆れたようにため息をつく。そして
私を力強く抱きしめた。
「お姉ちゃん、何。」
「本当に、危険なことしないで。もう高校生なんだから分かるでしょう？」
高校生はもう子供ではないらしい。
あれ、私って。
いつから大人になれるんだろ。
＊＊＊
私のイメージ、夜霧時計店【名前変換オリジナル】の魔桜ちゃんとは真逆な子です。(ちゃっかり宣伝定期)
魔桜ちゃんは子供っぽいようで大人びてるけど、
Aちゃんは大人びてるようで子供っぽい。
クラスメイトにはＡ組のお姉ちゃん、と言われることの多いしっかり者の委員長だけど、本当は依存癖があって好奇心だけで行動してしまう悪い意味で子供っぽい子。
ちなみに余談。
私は小さい頃、このAちゃんみたいな思考回路してまして。自ら自分の腕の血を吸いクッソ怒られてました。味はしなかったけどなんか跡ついてた、草。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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まっしゅどぽてと(プロフ) - 雪兎さん» コメントありがとうございます！人気ジャンル書いた方が手っ取り早く上位なれますもんね仕方ない。あと自傷はもう懲り懲りなのでお1人でどうぞ(自業自得) (2023年2月26日 18時) (
レス) @page35 id: 5c8ee76ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎 - 俺占ツクのやつ大体同じパターンだからそこまで気に入って無いんですけど、こういうのは好きです。鬱作品は素晴らしいですね。疲れたら一緒にリ,スカでも…(うわ俺キッッショ…) (2023年2月19日 1時) (レス) @page39 id: d89776f955 (このIDを非表示/違反報告)
まっしゅどぽてと(プロフ) - そらさん» 把握感謝です(?)だいぶ長いですが、気長に待っていただけると幸いです･･･。 (2023年1月29日 20時) (レス) id: 5c8ee76ee4 (このIDを非表示/違反報告)
そら - 把握です( ˙-˙ )さみしいですが、更新待ってます！ (2023年1月28日 21時) (レス) @page35 id: 9fac198113 (このIDを非表示/違反報告)
まっしゅどぽてと(プロフ) - 小雲そらさん» コメントありがとうございます！お褒めいただき光栄です✨亀更新ですが頑張ります･･･。 (2022年12月20日 6時) (レス) id: 5c8ee76ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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