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Aside
悠「....そ....やって......?」
前髪で隠れて悠の表情が見えない
悠「なんで!!そうやって俺にまで嘘つくん!!?して欲しいことがあるなら ちゃんと言ってくれへんと俺馬鹿やから分からん!!!
不満があるならちゃんとこうして欲しいって言って!!!全部一人で溜め込んで何したいん?
相談のるよって言ってくれる人周りにいるくせに何も言わんで!!そのくせ下手な作り笑いでごまかして!!!
私はかわいそうなんやって周りに見せつけてるだけやん!!!!!!」
こんな悠は、初めて見た
私に話しかけてくる悠はもっと笑顔で、暖かかった
私のことを責めたりすることは一度もなかった
けど今、目の前にいる悠は私の目をしっかり見て真剣に怒っている
貴「............」
『捨てられるのが怖いです』と、言ってしまえば楽になれるのかもしれない
けど、どうしてもその言葉が口から出てこなくて
喉のところでつっかえる
貴「...........別に、不満なんてないよ?.....悠は、優しい人だもん」
その言葉は、どうやら不正解だったらしい
悠「............なんとなく、気付いとったよ。Aが俺のこと、兄としても、家族としても見てくれてへんってこと。
俺と一緒にいるのが嫌やったん?......見ず知らずの人間に、お兄ちゃんだよって言われるんが嫌やった?
あの日 Aが俺のこと見て『懐かしい気がする』って言ってくれたから頑張ってみようって思えたんやけど........ごめん。もう、この家にも縛らんし、お金とか面倒はみるから...好きに何処へでもいって」
とうとう、言われてしまった.........いや、言わせてしまった
結局のところ私は、捨てられたくないと思っていながらも こんな自分なんて捨てられて当然だ
とどこかで思っていたらしい
相手に好かれるために良い子を演じて、前のAであり続けるよう努力してみたけど全て無駄だったのだ
『………最悪の想定は、お前が素直になってれば来ないって断言してやる。もしもあいつの事騙すようなことしてたら そう なるかもな』
本当に、あの人はどこまで私のことを理解しているのだろう
忠告をもらったくせに私はその忠告を無視して、嘘をつき続けた
自業自得なのに、自分で蒔いた種なのに、もうどうしていいか分からない
prrrrrrrrr
う『はい?もしもし?』
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星夜 - 普通の本とかでもそうですが、小説で泣いたのは初めてでした。夢主さんの言葉1つひとつが刺さって感動しました。これからも頑張ってください。応援しています。 (2020年7月25日 3時) (レス) id: fc51e2690a (このIDを非表示/違反報告)
どこかにいる人 - はじめて小説で泣きました。 更新するのは、作者さんの自由です! 自分のしたいようにしていいと思います! 上からですいません、 これからも頑張ってください? (2020年6月29日 21時) (レス) id: de26dda9b0 (このIDを非表示/違反報告)
M,N - めっちゃ神作じゃないですか!あれ、自然と涙が(( (2020年4月14日 21時) (レス) id: 904654b86c (このIDを非表示/違反報告)
M,N - めっちゃ神作じゃないですか! (2020年4月14日 21時) (レス) id: 904654b86c (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - すごい、小説でこんなに泣いたの初めてかもしれない。号泣しちゃったじゃないですかどうしてくれるんですか() 、神作御馳走様でした。 (2018年12月27日 2時) (レス) id: d20ce6748b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2017年9月9日 0時