乙女心分かってください！【浦島坂田船】

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スッとAの横に立ったうらたんは、彼女の頭を上げさせて、ゆっくりと口を開いた。




う「俺は今日で部活を卒業します。みなさんに最後に素敵な音を聞かせてあげることができなくてごめんなさい。

それでも、俺はみんなが大好きでした。すごく。

本当にありがとうございました」





同じように深く頭をさげるうらたん。
それを必死にやめさせようとしているA
うらたんを慰めようと走ってくる志麻くんと坂田。


俺は…結局なんもしてあげられへんのか？





先生「ちょっと、センラ先生。どうにかしてください」


セ「………あぁぁ！
軽音部は何があっても1ヶ月休部やねん。
それは変えられへん」


先生「そうですよ！そんなバカみたいなことはやめて勉強しなさ…」


セ「やから、みんなでバンド組めばええねん」


先生「…は？」


セ「別に軽音部がなくなったからって音楽をやめなあかん訳じゃないしな」





俺にできることは、これぐらいしかない
もう校長先生とか上司とか生徒の目とかどーでもいい。Aが幸せであればそれでええ




セ「校長先生、転勤します」

校長「…先生」




そう校長先生に告げた瞬間、一人女子の甲高い声が響く。



「私、バンド結成したら応援する!!!!」



それを合図とするかのように次々にあがる称賛の声。
Aの方をみて微笑めば、首を降って、こちらに走ってくる。




『センラ先生がいないとかやだ！！
私たちのこと分かってるの先生だけなのに…いなくならないでくださいよ!!!』


う「俺もセンラがいないとバンド組まねえ」


さ「センラしかおらんねん！俺らのことちゃんと見てくれんの」


し「どこもいかんといてや。ずっと俺らんとこおって」



女子1「あ、あの！！！」


女子1「ごめんなさい!!!私…何も考えずに…。
私のお母さんアナウンサーなので…TVで紹介してくれるよう聞きいてみます。

センラ先生はプロデューサーとして…どうですか」


女子2「じゃあ私、宣伝する！！」




そんなときAの友達が声を上げた




友「…ちょっとなにバカみたいな茶番してんの？笑っちゃう。」


『樹里…』


友「お前なんてこの学校からも坂田くんの近くからも消えればいいのよ」


女子「私、もう樹里ちゃんには従わない！一人で愚痴いっておけば？」






そうすごいバッシングを受ける彼女の姿を見て、Aの方を見れば苦しそうに涙を浮かべていた


ぽんっと優しく頭を手に置けば、子どものように泣きじゃくった

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