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Snr Side


火曜日まで待ってほしいという真剣なAの眼差しをみたら、無理だということができなくて、お試し半分で了承した。


ついに来てしまった火曜日。
あの日から特に変化もないし、職員からの視線は前とは全くと言っていいほど違う。


みんなからみたらセクハラ教師なんやろうなあ、なんて。
Aがセクハラですよ、と言っていたときにやめていれば…。とは、思わないしセクハラなんかじゃない。ただ単純に好きだっただけ。





セ「いやだから、それがセクハラなんよな」




ぽつり、教室に向かう途中に呟く。
生徒からの目は特に気にしない。ただ、人を心配するかのような視線を向けられるだけ。


全校集会があるからと、全員を並ばせて体育館に入るとどうやら最後だったらしく、急いで座らせた。





「今から全校集会をはじめます。最初に校長先生からのお話です」




長々しい校長先生の話。
先生たちからしたらどうでもいい委員会からのお知らせ。
俺らの部活からしたら立つことのない表彰式。


全てが順調にいつもどおり終わっていき、クラス順に帰ろうとしたその時、大きな声が体育館内に響き渡った。






『マイクかしてください』

「…でも」

『はあ、もういい』




そこには、何事にも動じないような凛とした顔をしたAの姿。
バッと生徒会役員からマイクを取り上げる姿はセンラより男らしくて、俺なんか上に従ってペコペコしてるだけの脳なし。




『みなさんに言いたいことがあります。』



ガヤガヤと煩くなる体育館を静めるように、そう言い放った彼女は1度こちらを見て、少し微笑んだ。





『軽音部は1ヶ月休部しなければなりません。
みなさん、その意味はおわかりですか?

うらた先輩は今日で部活を卒業しなきゃいけないということです。

あれだけ頑張ってきたライブをぶち壊され、最後のライブがあんな最悪なもんなんてあまりにも可哀想です。


そうなったのは私のせいです。


先生、そして生徒のみなさん。
私からお願いです。私が退部すれば全てが解決するはずです。ボーカルなんて誰でもできる。

お願いします。1ヶ月休部はナシにしていただけないでしょうか』



セ「A…、」




深々と頭を下げる彼女の姿を見ると心の奥がギリギリと痛くなって、ギュッと胸元を握りしめる。


ふと、彼女の横に一人の男の子が立つのが目に見えた。


あれは…




セ「うら…たん」

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タシア松(プロフ) - ぽにょさん» ありがとうございます!!最高の褒め言葉です、 (2022年9月25日 20時) (レス) id: d89a5c0024 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ - 1話1話見るごとにきゅんきゅんしてもう最高です_:(´ཀ`」 ∠): (2022年8月8日 18時) (レス) @page14 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます!すごい嬉しいです!!!ありがとうございます!!この作品を好きだと感じてもらえることができてよかったです! (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - な、な、な、なんだこの……神作者と神作品は!? (2021年10月26日 2時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乘肄さん» 最高のお言葉ありがとうございます!! 完璧にかけたのなら幸いです、これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします (2020年5月19日 22時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タシア松 | 作成日時:2020年1月12日 23時

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