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さっきのことを考えると、大好きな範囲の授業も耳を抜けていく。
クラスもいつもに比べると騒がしくなっていて、キスをした本人の顔をちらっと見るとバッチリと目があった。
普通に考えて、女の子が嫌いならどんなことがあっても私にキスはしないはず
あぁぁ、もうわかんない!
チラリと横目でセンラさんの席を見ると、そこだけポツンと机が置かれているだけだった
『え!?センラさんは!?』
ガタッと勢いよく立ってしまったと言うことに気づいて、バッと周りを見ると、みんな目を見開いて驚いた顔をしている。
ぶわぁぁと顔に熱が集まって静かにもう一度椅子に腰を下ろした
『いたっ』
コツっと何かが頭に当たって、綺麗に折りたたまれた紙が机の上に落ちた。
"多分保健室。あとで一緒にいこ"
最後に、志麻と書かれていて、パッと斜め前の席の彼を見ると、指を口に当てて、パチリとウインクが飛んできた。
ありがとうございます、と口パクで伝えると、優しくふわっと笑った。
_____
し「よし、行こっか」
二人で保健室へと向かう途中、ふわふわと隣からは香水の香りが漂ってきた。
酔いそうなほどの甘い香り。
『志麻さんって香水つけてるんですね』
し「まぁな、いい匂いのほうがいいやろ」
『その匂いすごく好きです』
し「ほんま?ありがと」
ワシャワシャと乱暴に頭を撫でられて、髪が崩れてしまった。別に気にはしないけど、男の子とかこういうみんなに見られる場所では、綺麗な女の子でいたい。
手櫛で髪を整えていると、あっという間に保健室へとついた。
ガラガラと音を立てて扉を開けると、ふわっと香ってくる薬品の香り。ミント色のカーテンは、ゆらゆらと風に揺られていた。
ある青春漫画の1ページのような光景にゴクリと息を呑んで、中へと入る。
し「センラ?大丈夫ー?」
シャッと誰が入ってるか分からないカーテンをなんの躊躇もなくあけた志麻さん。
そこには、ベッドの上ですやすやと気持ち良さそうに眠るセンラさんがいた。
し「なんや、大丈夫そうやな」
『ですね。』
そういって、近くにあった椅子を2つ持ってきて、どうぞと渡すとありがと、とニコッと志麻さんは微笑んで椅子に腰掛けた。
し「なんかこの感じドキドキするなぁ」
パッと彼の顔を見ると、ばっちりと目があって、いつもとは違う顔にボーッと見惚れてしまう
ゆっくりと近づいてくる顔
やばい、と思ったときには、志麻さんとの距離は1センチだった
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タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです!これからも面白い作品待ってます! (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます!これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2019年12月21日 19時