斎宮宗『見透かされてる？』(砂糖多め) ページ13
友達以上恋人未満のはたから見たら曖昧な二人。
宗side
·
衣装の製作中、ふと端に置いてある棚を見ると猫のぬいぐるみに目がいった。高１の頃に遠くへ引っ越してしまった彼女へ贈ったものなのだが、忘れたというのだ。折角贈ったのにと言ったら彼女は楽しそうにごめんね？と言った。
宗「(⋯⋯⋯会いたい)」
彼女を思い出して感傷的な気持ちになる。会いたいのにお互い忙しく、それもままならないのがもどかしく辛い。
＊
下校中、自然に出た白い溜め息は風でゆるやかに消えた。マフラーに顔をうずめると、電話が掛かってきた。
·
＿＿＿＿＿彼女だった。
宗「⋯もしもし」
『あ、もしもし？宗？』
宗「僕の携帯電話に掛けてきたっていうのに僕以外誰が出るっていうんだね」
『あはは！そうだよね！⋯久しぶり、宗』
宗「ああ、久しぶり」
·
暫く話していてまた思う。
宗「⋯⋯A。」
『ん？なーに？』
宗「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯会いたいよ。⋯今すぐにでも」
ぽつりと漏らした、ずっと強く思っていた自分の本音。これにAは以前と同じく楽しそうに言ったのだ。
『⋯じゃあ会っちゃう？』
宗「⋯⋯⋯⋯は？」
『〇〇公園。今すぐ来てね！』
僕の言葉を待たずに電話は切られた。選択肢は一つしかない。困惑と期待が混じりつつ公園へ向かった。
＊
よく帰り道に話し足りないからと寄った〇〇公園。いつものベンチに、耳を赤くした彼女はいた。
この後ろ姿は彼女だと確実出来たが、本当にAなのかどうしても疑ってしまい僕は震えた小さな声で恐る恐る彼女の名前を呼んだ。
宗「⋯⋯⋯⋯A⋯？」
「⋯あははっ！こんな時間に、あたし以外いるわけないでしょー！」
僕の気持ちなんか知らないように明るく笑った彼女は確かに僕の知るAだった。泣きそうになるのを何とか抑えたのだが、彼女を抱きしめた瞬間、涙がぼろぼろと漏れた。
·
僕が会いたいと言うのも会ったらAを抱きしめるのも泣いてしまうのも、彼女は見透かしていたのだろうか。
それを見透かしていた彼女はわざとぬいぐるみを置いていったのだろうか。
僕の腕の中でAは当たり前かのように満面の笑みを浮かべているのだろう。
＊
瀬名泉『涙１』(砂糖)リク→←葵ゆうた『駅のホームで君を見る』(砂糖少なめ)
ラッキーカラー
あずきいろ
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理音(プロフ) - ☆アスカ☆さん» こんばんは！お返事遅れて申し訳ありません。了解しました！遅くなるとは思いますがそれでも良ければ書かせていただきます、ありがとうございます。 (2019年11月20日 22時) (
レス) id: 8e86f2162d (このIDを非表示/違反報告)
☆アスカ☆(プロフ) - こんばんは(^-^)/リクエストします。レオ君相手で内容はおまかせで涙多めと砂糖多めの二種類お願いしますm(._.)m (2019年11月12日 19時) (レス) id: bf7dd3bfe3 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - ヒナコさん» ありがとうございます！！実はコメント頂いた日にヒナコさんの有り難い言葉を見まして、天満光くんのお話を書きました。大好きだとずっと読んでると言ってくださり、そして長らく更新していなかったにもかかわらずコメントしてくださりありがとうございます！ (2018年12月14日 22時) (レス) id: 8e86f2162d (このIDを非表示/違反報告)
ヒナコ(プロフ) - 今でもこの短編集大好きでずっと読んでます！ (2018年12月9日 16時) (レス) id: 2c23b98d04 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - イカさん» えええめちゃくちゃ嬉しいです！！ありがとうございます！！！書きたいなと思っているキャラがいるのですがその人のストーリーをあまり読んでいないのでとても遅くなると思います。あまりに遅くなる場合は他のキャラで書きますので気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (2018年5月31日 18時) (レス) id: d0426cb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：理音 | 作成日時：2016年10月30日 21時
