09. ページ9
羽風
「蒼ちゃん、やっほ〜」
「羽風くん、やっほー」
廊下を歩いていると羽風くんにばったり遭遇した。
羽風
「彼とはうまくやってる？」
「彼って？」
瀬名
「あの1年坊主に決まってんでしょ〜。最近毎日一緒にいるじゃん」
最近、すれ違う度にみんなに聞かれるのだ。
「高峯とはどういう関係？」と。
「あの、高峯くんとは付き合ってないよ？」
羽風
「えっ！マジ！？てっきりカレカノだと…」
瀬名
「へぇ〜まだ告白されてないんだぁ」
「高峯くんとは趣味が合って、話も合うの！変に話を進めないで！」
守沢
「どうしたどうした！高峯の話か！？」
羽風
「もりっち、高峯くんから蒼ちゃんの話聞いたりしないの〜？」
守沢
「花城の話？いや、特に聞いてないな」
瀬名
「あれだけ教室に来たり、玄関で待ってたりするくらいなんだから絶対気はあると思うけどねぇ」
羽風
「告白まで時間の問題って感じだよね〜！ひゅ〜ひゅ〜♪」
「もうっ…」
守沢
「花城〜！俺の高峯をよろしく頼むぞ〜！」
「えっ、あっ、ちょ…！」
千秋くんはほんとにスキンシップが激しいなあ。私の頭をくしゃくしゃと撫でると軽くハグをした。
その瞬間、背後から手が伸びてきて千秋くんの手を払った。
高峯
「花城先輩に気安く触らないでください」
振り向けば、眉間にシワを寄せて少しイラッとした様子の高峯くんがいた。
一瞬ピリッとした空気になったものの、千秋くんはぱっと切り替えて高峯くんに抱きつこうとする。
守沢
「そうだな、女の子に対して無礼だった…！花城すまない！代わりに高峯、熱いハグをさせてくれ！！」
高峯
「はぁ？鬱陶しいからマジでやめほしい…」
羽風
「(嫉妬だ、かわいい〜)」
瀬名
「(守沢、焼かれろ〜)」
高峯くんの本当に嫌そうな顔に少し笑ってしまう。移動教室らしく、たまたま廊下を通りかかったらしい。
高峯
「先輩、今日一緒に帰りませんか？」
「あっ、今日は放課後委員会の仕事があって…」
高峯
「30分くらいですよね？俺、玄関で待ってるんで」
「そんな待たせるの悪いよ！」
高峯
「大した待ち時間じゃないですよ。委員会、頑張ってくださいね」
爽やかな笑顔で手を振られ、そのまま行ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あねもね | 作成日時：2021年1月19日 19時
