君のヒーロー｜守沢千秋 (ページ34)

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story34 ページ34

「…私、千秋さんのこと好きです」

突然の告白に心臓がドクンと跳ねる。
今の言葉って…

千秋「……夢じゃ、ないよな？」

「うん、夢じゃないよ…」

気づいたら、
隣にいる君を抱きしめていた。

千秋「本当にっ…嬉し過ぎてどうにかなりそうだ……」

「言うのが遅くなってごめんなさいっ…」

千秋「いいや、全然遅くないよ。今日その言葉が聞けるなんて思ってもいなかったからな…」

「千秋さん、いつも私のことを一番に考えてくれてありがとう！大好き！」

なんて幸せなんだろう。
好きな女の子から好きと伝えられるのが、
こんなにも嬉しいだなんて。

明日も生きてるか不安になるくらいに、
俺の心臓はちっとも落ち着かない。

千秋「正式に俺から言わせてほしいんだが…」

「…はいっ」

千秋「未桜ちゃん、何があっても必ず俺が守ると約束する。どんな辛いことがあっても、苦しいことがあっても2人で一緒に乗り越えていきたい。

…未桜ちゃん、俺の彼女になってほしい」

「私も千秋さんと一緒にいさせてください。これからよろしくお願いしますっ」

ぎゅっと強く握られる手。
ふと、幼い頃の記憶が蘇る。

回想＿＿＿＿

千秋「未桜ちゃんに守られる自分じゃなくて、未桜ちゃんを守るヒーローになりたい！」

「じゃあ…私がピンチの時は助けにきてね！ヒーロー！」

＿＿＿＿＿

俺はまだ、未完成なヒーローだ。
まだ不甲斐ない点もたくさんある。

君の隣にいさせてくれるなら、
俺はもっともっと強くなれる気がするんだ。

千秋「…キス、してもいいか？」

「…うんっ」

柔らかい唇にそっとキスをして、
お互い見つめ合った。

「千秋くん…って呼んでもいいかな？」

千秋「勿論だ！」

「…千秋くん、これからもよろしくね」

千秋「こちらこそ、よろしく頼む！」

もっと立派なヒーローに、
いや立派な男になれるように頑張るよ。

千秋「大好きだ、未桜ちゃん」

＿＿＿Fin.