【朔間凛月】〜4〜 ページ38
〜3〜のつづきです。
ダイエットを始めて二ヶ月。
体重は、平均よりもかなり落ちた。
ダイエットにありがちな停滞期に陥った時は、多大なストレスと自分に対する嫌悪感が重なって、水やゼリーしか食べない日もあった。
そんな生活を続けていたせいで、私の肌や髪はボロボロである。
体力も限界まで落ちてきたのか、最近は運動量が二倍に減ってしまった。
それどころか、疲労が溜まっているのか朝に起床することができなくなり、起きるのは昼過ぎになってしまっている。
このままじゃ、まずい。
まずいって分かっているのに、やめられない。
今まで苦労してこの生活を続けてきたから、今さら炭水化物や甘いスイーツ、お菓子なんて食べたくなかった、否、食べられなかった。
そういった類いのものを見ていると、また太ってしまうのではないかと恐怖心に煽られて、どうしても口にすることを躊躇ってしまう。
あの時に、やめておけばよかったのに。
あの日から、父とは会っていない。
どうやら全国ツアー前の休暇だったようで、現在はknightsの朔間凛月として日本を飛び回っているだろう。
久しぶりに会う娘がこんなにガリガリになっていたら、驚くだろうなぁ。
自己責任とかいって、呆れられるかも。
でもやっぱり、
『こんな姿、見られたくないなぁ……。』
部屋の壊れた鳩時計を見つめながら、私はゆっくりと瞼を閉じた。
「ーーーっ！ーーーAっ！！」
遠くで、私を呼ぶ声が聞こえた。
その声はなんだか懐かしくて、つられるように瞼を上げた。
ぼんやりとした視界の中に、鮮やかな黒と二つの赤が映りこむ。
私と同じ、黒髪と赤眼。
『パパ……？』
「……っ！良かった……。」
父は仰向け状態の私を優しく起こして、思いっきり抱き締めた。その腕は、いつもよりんとなくた頼りない。
『パパ……痩せた？』
「痩せたのはAでしょ。糸みたいになっちゃって……。あんず……ママから連絡が入ったから、急いで帰ってきたらこの有り様だしねぇ。」
良かったよ、次のツアーがこの辺で。父はそう言いながら私の頭に軽くデコピンした。
全く痛くないそれは手加減していることがわかって、自分がどれだけ心配されていたか、改めて申し訳ない気持ちにさせる。
「罰として、ツアーが終わったら俺が腕によりをかけた特大ケーキを完食してもらうから。」
約束だからねぇ、と差し出された小指にわ私も観念したように自分の小指を絡めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 843人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らんちゃん - 深海くん最高でした、、、！！ (2018年3月26日 17時) (
レス) id: 5da59bc768 (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - あんスタの桃季君大好き (2017年6月4日 16時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ヤバイです！ハマりました！！もう部屋の中で一人発狂してました(笑)更新楽しみにしてますね！！ (2017年3月29日 3時) (レス) id: f480fe51c3 (このIDを非表示/違反報告)
アクアリウム(プロフ) - お帰りなさいです！めっちゃ更新、続きを楽しみにしていたので帰ってきてくれて嬉しいです！これからも応援してます！ (2017年3月27日 18時) (レス) id: 8d5de3cdea (このIDを非表示/違反報告)
しょこらて - たくさん応援メッセージやリクエストありがとうございました（；＿；）皆様の温かいコメントは、本当に心の支えになったし、嬉しかったです。これからもあんさんぶるパパーズをよろしくお願いします。m(__)m (2017年3月20日 23時) (レス) id: 7a983a56c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しょこらて | 作成日時：2016年3月6日 18時
