副会長の思いは巡る ページ23
『初めまして、殺せんせー』
職員室の扉の隙間から漏れ聴こえた声に、一瞬寒気に襲われる。この学園の理事長で、学秀の父親。合理主義者で、自身の教育理念のためなら暗殺すら厭わない、そんな恐ろしい方。…視察目的、かな。まあ、私には関係なし。そろそろ中間テストだから、A組の方に戻らなきゃだし、色々お兄ちゃんにお願いしとかないと。
「ねえ、お兄ちゃん。私多分中間テスト期間、あっち戻るから。色々よろしく」
「はいはーい。お前も大変だねー、あんなクラスに定期的に戻るとか。…あ、あいついるし嬉しいかー」
「ま、お兄ちゃんをボッコボコに叩き潰してあげるから、覚悟しといてよね」
「あはは、無理でしょ」
「A組は順位発表みんなやるから、惨めな結果は残せないから本気でいくよ」
「おー、珍しくやる気?」
「んー、まぁね……てあれ、渚君、職員室の会話聞いてるのかな?」
「そうなんじゃね?今って…」
「理事長来てる」
「あ、やっぱり」
「あ、出てきた」
「本当だー…何か言われてる?」
「そうっぽい。相変わらず言葉巧みねー。さて、と。行こ、そろそろせんせーもご立腹なんじゃん?」
「あー……ま?俺は本気じゃなくても勝てるよ」
「足元すくわれるよいつか」
「すくわれないよ…と。そろそろ本気で戻らなきゃ授業始まるよ」
「あ、やばい」
やっぱりその後、殺せんせーは燃えていた。俄然燃えていた。まあ、みんながやる気なさすぎて怒ってたけど。
「Aさん、貴女は副会長をしながら暗殺者も兼ねています。そんな貴女とカルマ君の暗殺はここでトップクラスと言えるでしょう。そんな貴女は、この状況をどう思いますか?」
「正直、依存しすぎだわ、賞金に。いつか資金は底を尽きるわよ。その後、どうするわけ?」
「その通りです。暗殺が終わってから、皆さんは空っぽになってしまいます。使ったお金は戻りません。無くなっていくだけです」
「殺せんせーみたいにね」
「そう、せんせーみたいに…って茶々入れないでくださいよ、格好つけてるんですから!」
「いやー、つい?」
「ついじゃないですよ!否定できないのがまた悔しいところですねぇ…そうだ、理事長に進言してくださいよ、せんせーの給料up!」
「嫌です。なんですかその公私混同。私は公正無私、全てにおいて優秀なこの学園の生徒会副会長ですよ?」
「そこを何とか…」
「ま、ともかく。そういうことだから50位以内、頑張れ、ってことね」
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リルム - ありがとうございます!更新、遅いですが頑張ります! (2018年1月18日 21時) (レス) id: 7020156455 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 続き、楽しみにしてます!頑張って下さい!これからも、応援してます!! (2017年12月11日 3時) (レス) id: 37009b37c4 (このIDを非表示/違反報告)
リルム - ガラスの破片さん» ありがとうございます!私も変換ミスとか結構するので書くときには注意していきますね…(汗) (2017年12月1日 21時) (レス) id: bf862feefa (このIDを非表示/違反報告)
ガラスの破片 - 隊長になってた(*´>д<) (2017年11月13日 21時) (レス) id: f43e2c4374 (このIDを非表示/違反報告)
ガラスの破片 - 百合さんに凄く同意です!!主さん、冬になってきたし、隊長にも気を付けてください(^^)楽しみ(*n´ω`n*) (2017年11月13日 21時) (レス) id: f43e2c4374 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リルム | 作成日時:2016年5月24日 16時