岸境の守り人【地縛少年花子くん】 (ページ10)

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守り人７ページ10

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ハートをとばしてる寧々に近づき、言葉の続きを待つ。

寧々「……空き教室で生徒会の資料をまとめるのよ。

藤くんたら誘うくせにすぐいなくなっちゃうの。照れ屋よね。」

が、寧々の口から出てきたのは想像を超えた言葉だった。

私の知ってる、っていうか世界一般常識の範囲でも違う回答に、思わず固まってしまった。

花子「ヤシロは何とランデブーする気なの？紙？」

いや、紙ってなに…紙とランデブーってだいぶやばいぞ？

もしかしてこの学園ではそれを「ランデブー」っていうのか？

と思ったが、よく見ると寧々の目が死んだ魚の目になってるので、やっぱり違うと分かる。

てか、資料まとめくらい自分でやればいいのに。

２回も女の子ひとりに任せるなんて、失礼な奴。

私の中で藤くんの好感度がどんどん下がっていった。

寧々「いいの！今は都合のいい女でもこれから進展するの！」

『…まぁ、ポジティブでいいと思うけど。』

どう反応すればいいのか分かんなかった。

花子「でも、そいつはきっとヤシロのことただ利用してるだけだと思うよ。」

七番様のその言葉にピクッと反応する寧々。

花子「ねー、俺にしなよ。そんな男よりずーっとヤサシクするからさ。」

といい、うずくまってる寧々に後ろから抱きつく七番様。

そんな七番様に一瞬赤面しかけた寧々だけど、さりげなくモップを持たされたことに気づくと、七番様から距離を取り、

寧々「花子さんとトイレ掃除か１人で書類整理かだったら書類整理の方がいい。」

と言った。

七番様は相当なダメージを負ったらしい。が、

花子「ふぅ...わかった。ヤシロはエラ呼吸が恋しいんだね？

おいで白状代。魚用の餌を買いに行こう。」

と、脅すように水の入った水槽を持ってトイレを出て行こうとする七番様。

それを見た瞬間寧々の態度はコロリと変わり、

寧々「わーい。トイレ掃除だぁい好き～♡」

と言った。寧々…可哀想に。

[翌日](寧々side)

はぁ～...今日もトイレ掃除...行きたくないなぁ～。

別に藤くんと本気で上手くいくなんて思ってないけど、私のこといいように利用してるのは花子さんじゃない。

監視まで付けちゃって...確か、“ハクジョーダイ”だっけ？変な名前…

毎日お掃除ってシンデレラじゃないんだから。

部活だって出たいし、友達と遊んだりもしたい...

あすかといるのは楽しいけど、トイレ掃除以外で一緒にいたいな…