鏡の中の人狼と少女 (ページ14)

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本物を探せページ14

アルネ視点

　「おい、ジシェいるのか？」

我は血のストックを急いで用意すると、ジシェ用の特性手鏡に話しかけた。

「...あれ、貴方もジシェを探してるの？」

そしてその手鏡にすぐジシェの姿が現れる。

勿論、ジシェであってジシェでは無いのだが。

「お前か、ジシェの言っていたドッペルゲンガーとやらは。」

「ドッペルゲンガー？まぁ、そうなんだけど別にそれは関係なくない？私は私だよ」

我が話しかけると、ヤツは何かあやふやな言い方で返答してきた。

この様子だと元の人格はもう消滅してしまっただろう。

別に可哀想だとは思わない。

逆にややこしいことになって迷惑である。

「で、何故お前はジシェの姿なんだ？」

とりあえず今は色々聞き出してみるしかない。

我はそう思い二つ目の質問を投げかけた。

「うーん、気づいたら？別になりたくてなったわけじゃ無いんだよねー。」

そしてまたもヤツは煮え切らない返答をする。

だが、この言葉から推測するに、ヤツはまだドッペルゲンガーの力を使いこなしては無いのだろう。

そこが唯一の救いだろうか。

次々に姿を変えられては探しようの無い。

そして他の質問を投げかけようとしたとき、他の声が飛び込んできた。

「Aちゃんここに居たの！？って、もうアルネと対面してたのか。」

そう、本物のジシェである。