色づく世界、君の声、歌。【あんスタ】

衣更 世話焼き彼氏、甘えんぼ彼女 ページ6

貴方side






あたしの彼氏は世話焼きだ。



彼女であるあたしの世話だけでなく、
幼馴染みの凛月くんの世話、
同じユニットの明星くんの世話、
ときには部長さんの世話までする、というんだから驚きだ。








「ねー、衣更ぁー」



「ん？なんだよA。」


用事もないのに呼んで振り向かせたりして。

衣更も衣更で
用がないのを分かってるのにきちんと振り向いてくれるんだから
世話焼きというより甘やかすのが得意だ。





「んーん、なんでもない。」

「なんだそりゃ。」



眉尻をぐーっと下げて、
困ったなあ、って感じの顔で笑うのが最高に可愛い。

あたしも負けないように、衣更が一番好きな顔で笑う。

衣更が隣を歩いても、恥ずかしくないような顔を作った。






…つもり。




「呼んでみたかっただけ、てやつ。」



わざと下から覗きこんで上目遣いの天然を気取る。



衣更が私に飽きませんように。


ずっと好きでいてくれますように。






「はぁー…っ」




大きなため息の衣更。







「A、なにを不安になってんだー？
俺が気づかねえはずないだろ？」






ほら、って言って手を大きく広げてくれる衣更。




迷いも躊躇もなく飛び込む。






彼の大きな手があたしの頭を撫でる。




「お前が引け目を感じることはないんだぞ？
むしろ、胸を張って歩いてくれよ。
自分は、アイドル衣更真緒の彼女だーって。」








「…無い胸を？」




「そう、無い胸を張って歩いてくれよ？」




「衣更の無い胸発言は認められないけど、がんばる。」



「おいおい、無い胸って最初に言ったのはAだろー？
責任転嫁だ。」




こうやって、軽口を叩けるようになって、
衣更はやっとほっとした顔になる。


あたしがちょっと弱虫なだけなのに、衣更は少し過剰な心配をする。








…でも、その優しさに甘えてたりして。





「衣更、」



「ん？なんだ、A？」





「ずーーっと、一緒に、いてね？」







「…もちろんだ。てか、それ以外は認めない。」








あたしの彼氏は、世話焼きだ。





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お気に入り、ありがとうございます!!!!!
これからも頑張らんと…、と実感いたしました！
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