5章任務開始 7話 ページ50
「関係ないとこ悪いですけど、そういう言い方はないと思いますよ」
「……放せよモヤシ」
も…モヤシって…(汗)
「アレンです」
アレンもカチンときたようで、掴んでいる腕にギリギリと力を入れる。
「はっ、1ヶ月で
ここじゃバタバタ死んでく奴が多いからな。
こいつらみたいに」
ダンッ…!!
あたりに大きな音が響く。
気づけば私は無意識のうちにテーブルを叩いて立ち上がっていた。
…もう聞いてられない。
無視しようかとも思ったけど、もう無理。
もう限界。
私はそのまま、神田さんに向かってズカズカ歩き、団服のコートの襟をグイッと引っ張る。
「…おい、何しやがる」
とてつもなく冷たい目線でギロりと睨まれるが、そんな事はお構い無しだ。
「お言葉ですが。
…他人を道具みたいな言い方するな!!
このクズエクソシストが!!」
一瞬の沈黙。
神田さんも、まさか私からそんな事を言われるとは思っていなかったのか、目を見開いている。
しかしそれも一瞬で、今度は今まで以上に眉間にシワを寄せて言い放った。
「…お前、誰にその口聞いてやがる」
ワントーン低くなった声に今にでも殺されそうな勢いの眼差し。
背中がゾクリとして、元々備わっている危機察知能力がこれは危険だと信号を出す。
…だけど、あいにくそんなものに怯むほど私も弱くはない。
私もキッと彼を睨み返す。
私は神田さんのその綺麗な顔に傷一つでも付けてやりたい程だったが、流石にそれはできないし、私の生存が危うくなりかねない。
私は彼の襟を掴んでいた手を雑に取り払い、くるりと背を向ける。
後ろから“チッ…”と舌打ちが聞こえるが、そんなのは知ったことじゃない。
「A!!」
アレンが私の名前を呼ぶ。
でも、ごめん。
今は振り向きたくない。
「早死するぜ。
お前ら…嫌いなタイプだ」
そう、言い放つ神田さんの声が聞こえた。
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時