4章科学班 7話 ページ44
〜Aside〜
「えぇっと…探索班にしようかなと…」
そう私が言うとリーバーさんはとても動揺した。
…まぁ、それもそうだ。
だって、探索班がどの部署よりも1番危険なのだから。
だけど、私はそこにいたいと思った。
アレンと初めて会ったあの日。
初めてアクマを見た。
そのおぞましい姿は今でも脳裏に焼き付いている。
きっと、一対一でアクマと出会ったりしたらすぐにでもやられてしまうだろう。
私は、エクソシストではない。
ただの普通の人間。
アクマを倒す事はできない。
だけれど、少しでもアレン達エクソシストの力になりたい。
ジャンのような人を、1人でも救いたい。
…大切な人がいなくなってしまうことがどれだけ悲しいことなのかを、私は知っているから。
私が教団へ来た理由は、この世界にいる私が一体何者なのか、どうして私はここにいるのか、それを知ることの出来るきっかけができればいいと思ったからだった。
未だにその疑問は解決されていないし、自分が何者かもわからない。
だけど、アレンについて行くと決めた日、私は立ち止まらないと決めたんだ。
私はぐっと拳を握って、誰にも聞こえぬ声で“頑張ろう”と小さく呟いた。
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時