4章科学班 6話 ページ43
「A、どうだ?
決まりそうか?」
そう、なるべくフレンドリーに言いながら、オレは彼の元へと向かった。
「まぁ…なんとなくは決まったと思います?」
そう言って、彼は右頬を触る。
…コレがコイツの癖か。
答えづらい時はさっきも触っていたような気がする。
…てか、なんで疑問形なんだよ←
「それで、どれにするんだ?」
「えぇっと…探索班にしようかなと…」
「そうかそうか、探索班か…って、え!?」
「やっぱりダメですかね」
「いや、ダメではないが…本気で言ってんのか?」
あまりにも衝撃的な彼の答えに動揺を隠せない。
探索班は、世界各地を回る部隊。
班員は探索部隊と呼ばれ、教団に入った奇怪現象の情報をもとにその場所へ調査に赴くのが主な仕事だが、アクマとの接触も、多く7班中最も危険な部署だ。
アクマを倒す事ができるエクソシストではなく探索部隊は普通の人間。
アクマと接触したら最後、死ぬ確率だって高い。
何しろ、教団内でのほとんどの死亡者はこの探索部隊たちなのだから。
自ら死へ飛び込んでいくような選択に、どうしても理解ができない。
「どうして探索班がいいんだ?」
「色々理由はあるんですけど…1番の理由はエクソシストとの距離が1番近いからですかね…
なるべく、アレンと一緒に居たいし、同じ場所に立っていたいから」
そう言って、彼は目をふせる。
…なんでそんな悲しそうな顔をするんだよ。
一体何をそんなに苦しんでる?
…そんな心の声が届くわけもなく、沈黙が続く。
「そうか…まぁ、理由は人それぞれだしな。
それじゃあ、オレが正式に探索班への所属の手続きをやっとくから。
もう少し待てばきっとアレンも来るだろうから、それまではまぁ、そこら辺でもぶらぶらしといてくれ」
「はい。
何から何まですみません…」
ペコリと頭を下げられる。
…ジョニーとあんなに笑っていたのが嘘のように、彼の背中がとても小さく見えた。
〜リーバーside終了〜
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時