4章科学班 5話 ページ42
〜リーバーside〜
部下に指示を言いながら、ちらりと彼の方を見る。
いつからそこにいたのか、何やらジョニーと楽しそうに話していた。
ジョニーは、人付き合いが上手で誰にでも話しかけるような奴だ。
きっと自分から自己紹介でもしたんだろう。
ニコニコと笑うジョニーにつられて笑うA。
彼と一緒に現れたアレンもそうだがまさか、たったのエクソシストでもない16歳の少年が、こんな所で働くなんて…
今は楽しそうにしているが、先程までの顔は酷いものだった。
これはオレの長年のカンだが、コイツはきっと何か訳ありだろう。
16歳なんざ、もっと遊んでいていい歳なのに、自らこんな場所へ来るなんて滅多にないことだ。
…普通だったら学校に通ったり、家族と暮らしているはずなのに。
彼が資料を見ている時にさりげなく聞いてみたけれど、曖昧に受け流されてしまった。
それがきっと触れられたくない部分なのだろう。
過去のことや今までのことは何一つはっきりとは答えてくれなかった。
何もかもが16歳とは思えないし、中身が顔と似合わないような奴だと思ったが…なんだ、ジョニーとだとそんな笑顔ができるんじゃねェか。
まるで息子の成長を喜ぶ親のようにそんな姿を見てホッとしてしまう。
…オレももう歳かな←
ジョニーが“じゃあな〜”と言って仕事へ戻る。
さてと、オレもそろそろアイツの様子見に戻るか。
55人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時