1章ある街にて 4話 ページ5
「そういえば、まだ自己紹介してなかったわね。
彼はトルトで、私はアリイよ。
流石にずっと“おばさん”呼びは嫌だわ」
「アハハ(汗)すみません。」
確かに、ずっとおばさんって言ってた…
そう考えると初対面なのに、めちゃくちゃ失礼なことやってたな←
「いいわよ、私も楽しかったしね♪
貴女の名前は?」
「藤原Aと言います。」
「Aさんか…名前の感じからして、極東の人かい?
黒い髪に黒い目だし…あそこは随分長い間他の国と外交がないからな…
僕もアジア人は初めて見るよ」
ん?極東?
あぁ、やっぱりここはヨーロッパなのか。
ヨーロッパから見て日本は東。
極東と呼ばれているから。
にしても…
他との外交がない…?
まるで江戸時代の鎖国だ。
いや、待て待て待て。
今は21世紀。
江戸時代だなんて、とっくに終わってるはず。
…まさか、タイムトラベルして過去に戻ったとか。
んなわけないな←
いや、でも待て。
なんだかんだの流れで、こんなにまったりと昼食を食べているけど…
ここは明らかに日本じゃない。
21世紀でもない、しいていうなら19世紀のヨーロッパ。
私は途端に自分のほっぺたをつねる。
…痛い。
これは、本当に夢じゃなくて、現実…
…ヤバすぎじゃありませんか。
一体何が起きてる、え、どうして…いや、え?←
…随分と時間がかかって、自分の今置かれている状況を理解しようとし始めるが、何がなんだかさっぱりだ。
…てか、そもそもなんで外国人と言葉通じあえてんだろう…
「あの…私って、今何語喋ってます?」
「はぁ?普通に英語だけど」
マジですか!!←
え、なにこれ、なんかいきなり日常会話出来るようになってる←
「…どうしたの?
いきなりそんなこと聞いて。
なんか慌ててるようだけど」
そりゃあ、慌てますよ!
もう、自分に何が起こってるのかさっぱりなんですもん!
最初は夢だと思っていた。
でも、これは紛れもない現実で。
しかも見知らゆ土地で、時間軸も違うとなると、考えられる事は、私が生きていた世界とは違う世界に来てしまったということ。
「私って、何者ですかね」
「「はぁ?」」
「私は、てっきりいつも通りの女子高校生気分だったんですけど、この状況下で女子高校生はないですよね」
「何?何の話?」
……私はどうやらとてつもない状況に置かれているようです。
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時