3章黒の教団 12話 ページ36
『入城を許可します。
アレン・ウォーカーくん、と、隣のお友達』
…どういうことだ。
アクマだと言うから出てきたが、白髪の奴の左手はイノセンスらしいし、黒帽子野郎はいきなり飛び出すし。
…一体なんだ。
俺は六幻をさらに目の前にいる黒帽子野郎に突きつける。
そいつは“ヒッ…”と小さく声を漏らす。
帽子を被っていて顔さえよく見えないが…弱々しいくせに前に飛び出してくんじゃねぇよ。
『待って待って、神田くん』
不意に俺のゴーレムからコムイの声が聴こえた。
「コムイか…どういうことだ」
『ごめんねー早トチリ!
その子クロス元帥の弟子だった。
ほら、謝って。
リーバー班長』
『オレのせいみたいな言い方ー!!』
俺はただ単にコイツの早とちりに付き合わされたってことかよ…
…後でコムイの奴締めてやる。
『ティムキャンピーが付いているのが何よりの証拠だよ。
彼はボクらの仲間だ』
俺は六幻を向けているコイツらをじっと見る。
黒帽子野郎はオロオロしているが、関係ない。
クロス元帥の金色のゴーレムが、白髪の周りを飛び回る。
こんなヒョロヒョロのモヤシみたいな奴が元帥の弟子だと?
「っ!?」
いきなり頭を叩かれる。
「もー、やめなさいって言ってるでしょ!
早く入らないと門閉めちゃうわよ」
そこに立っていたのはリナリーだった。
ってことは、コイツが殴ったのかよ。
「入んなさい!」
俺をキッと睨む。
…そもそも、俺に行けって言ったのはお前だろうが。
そう心の中で呟く。
こんな事、目の前の本人に言えるわけもない。
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時