3章黒の教団 8話 ページ32
「新入りか…なんだ、子供じゃねェか」
「老人かと思ったら…なんだ、あの髪」
「呪われてるらしいぞ」
「大丈夫かよ
あんなガキで…」
「まぁ、イノセンスに年齢は関係ないからな」
先程から、ヒソヒソとした話し声が耳に入ってくる。
その中には、悪口や差別とも受け取れるようなものも混ざっている。
教団の中をリナリーさんの案内の元、アレンと私の3人で歩いているのだが、先ほどの門番との騒ぎもあったせいか、周りからの目が多い気がした。
私は昔から見た目のこととかで色々言われていたりしたからそこまで気にしないけれど…
チラリとアレンを見る。
アレンは、悪口に対して特に何も言わずに、そのまま歩いている。
わざと気にしないように努めているのか、本当に気にしていないのかはわからないけど、私は言われっぱなしが嫌だったから、ヒソヒソとしゃべり声の聞こえる方を向いて、キッと睨む。
「大丈夫ですよ。
慣れてますから」
ポンッと、頭に手が添えられる。
私が先程から周りを気にしていたことに気がついたのか、私を見て微かに微笑む。
「ご、ごめん」
「謝る必要なんてないですよ。
むしろ、僕は嬉しかったです」
そんなやりとりをする私たちにリナリーさんも気がついたのか、ちょっと困った顔ような、申し訳ないというような顔を1度こちらへ向けて、そのまま歩いた。
それが、リナリーさんなりの心遣いなのだろう。
あえて周りからの目線については触れない。
だけれど、それが私とアレンに対しても1番楽で有難いやり方だった。
しばらくして、リナリーさんについて行くと、まるで外国のカフェテリアのような、少し開けた部屋へとたどり着いた。
「ここは食堂」
「お…大きい」
ついつい、高い天井を見て声が漏れる。
「エクソシストも、ここで働く人はほとんどみんなここでご飯を食べるから、沢山の人が入れるように大きな作りになってるわ。
ここの料理は本当に美味しいのよ」
リナリーさんが自慢げに言う。
…そんな姿でさえ可愛い/////←
アレンはというと、“早く食べてみたいな〜”と言って、目を輝かせていた。
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時