3章黒の教団 3話 ページ27
私は上を見上げる。
そこにいたのは人だった。
月をはバックに、長い髪の毛が風に揺れる。
一体、どこから現れたのか、全く気が付かなかった。
「二匹で来るとは、いー度胸じゃねぇか…」
…あれ?
なんか…あの人、日本刀持ってますけど…
なんか、すごい目つきで見られているんですが…
ちょっとやばくないですかね、これ←
アレンも察したのか、慌てて向こうに向かって手を振る。
「ちょ、ちょっと待って!!
何か誤解されて…」
それは突然だった。
いきなりのことで、私には何が起こったのかわからなかった。
ただ、気づいた時には私は地面の上に倒れていて、アレンの左腕が二つに避けていた。
「なっ…」
アレンの腕が、先ほどの日本刀で攻撃を受け、切り裂かれていたのだ。
アクマと戦っていたときも、この、大きくて鋭い形に変わっていた左手。
とても丈夫でアクマを倒していたその左腕が攻撃を受け、裂けてしまうなんて。
「痛っ!?」
「だ、大丈夫!?アレン!!」
「大丈夫です。
Aは、離れていてください」
「う、うん。
無理しないで!!」
私はアレンに駆け寄るも、離れていろと注意されてしまった。
確かに、武器も何も持っていないし、そもそも戦ったことがない私がこの場にいたところで何の役にも立たないのは目に見えている。
ここにいたって、アレンの重荷にしかならない。
私はとっさにアレンから離れた。
「…お前…その腕はなんだ?」
日本刀を持った、黒い長い髪の人がアレンに問いかける。
アレンのその腕を警戒しているようだった。
「…対アクマ武器ですよ。
僕はエクソシストです」
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時