2章白髪の彼と私 4話 ページ16
「アレン!体調はどう?」
「うん、大分良いよ。
今はちょっとお腹空いちゃったかも…」
アハハっ…と照れたように笑うアレン。
ここまで連れてきてくれた彼も元気そうなアレンに会えてとても嬉しそうだ。
アレンはベッドの上で上半身だけ起こす状態で、私が病室に入っていっても、特に気にすることなく軽く会釈をした。
私も慌てて会釈を返す。
あ…
アレンの右腕…
包帯が巻かれて固定してあった。
やっぱり折れていたんだろうか。
「あぁ…これ、ちょっと骨にヒビが入ってるだけです。
もう今は痛みもほとんどないですし、すぐに治るだろうってお医者さんも言っていたので」
「あ、そ、そうなんですね…
良かったです」
私の視線に気がついたのか、アレンはこちらを見て話しかけた。
まさか、話しかけてくれるとは思ってなかったから、不意打ちをくらいもごもごしてしまった。
「このお兄さんさ、アレンが倒れた時に病院に運ぶの手伝ってくれたんだ」
そう言って、彼はにっと笑う。
「そうなんですね!
ありがとう」
アレンもこちらを向いて笑う。
「いや、たまたまいたので…って言うか、通りすがったと言いますか…
とりあえず、どういたしまして…?」
あぁ、もう自分自身嫌になる!
何でこんな対応しかできないんだろう!
こんなことになるならコミュ症治しておけばよかった!!(泣)←
「そう言えばオレ、お兄さんの名前聞いてないかも。
改めてだけどオレはジャン!」
そう言って、彼…ジャンさん(?)は私に手を伸ばす。
握手しようってことだよね。
私もその手をとって答えた。
「わた…っじゃなかった…ボクは藤原A。
改めて、はじめまして。
アレン・ウォーカーさん、ジャンさん」
「ジャンでいいよ!
かたっ苦しい!!
オレもAって呼ぶから」
「あ、うん、そうだよね。
よろしく、ジャン」
私がそう言うと、それでいいと言わんばかりに握手していた手をブンブンと振り回した。
ちょ、痛い痛い!←
やられてる方は地味に痛いからね、それ!
って、いつまでやるの!!←
「えっと…仲良くしてる所悪いんだけど…色々つっこんでもいいかな←」
アレンがこちらを見ながら聞いてくる。
いや、見てるならちょっと助けて!←
ジャンを止めて←
マジ折れる!←
腕折れるから!!←
作者より ※本編とは関係ありません→←2章白髪の彼と私 3話
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時