2章白髪の彼と私 3話 ページ15
「それで?
君はどうして病院に?」
今度は私が彼に問いかける。
…別に、さっきの事許したわけじゃないからな←
「あぁ、オレは、アレンのお見舞い…って言ってもわかんないか。
昨日のさ、一緒に病院に運んだやつのお見舞い!」
知ってるよ。
“アレン・ウォーカー”でしょ。
…そう言おうとして止めた。
初対面のはずの人が名前知ってたら、ストーカーとか、犯罪の匂いしかしないもんな←
「お兄さんも、一緒に来る?」
「え、いいの?」
「うん、昨日手伝ってくれたしさ。
あいつ昨日あんなにヘロヘロになってたし、まだ寝てるかな…」
そう言って、彼は歩きだす。
…これは、ついて来いってことか。
私もつられて彼の後を歩きだす。
しばらく歩いて、ある一つの扉の前で立ち止まった。
「ここがアレンの病室。」
彼がへやの戸を指さす。
「…アレン……さんって、昨日の怪我、酷かったの?」
私はおもむろに口を開いた。
なんだか、扉の前に立って初めて、私って場違い何じゃないかという念がこみ上げてきた。
普通、ほぼ無関係な私みたいな奴が、怪我人にお見舞いとか…あきらかにおかしいよな。
「まぁ…でも傷は浅いみたいで血が足りなくて貧血で倒れたっぽいから、比較的早く退院するって医者が」
「そっか…良かった」
ホッと胸をなでおろす。
昨日、彼を見た時点で出血の量が多かったからどうかと思ったけれど、大丈夫そうだ。
「入るよー」
そう言って、彼はノックも無しに病室の戸を開ける。
ちょ…ノックくらいしましょ←
私も心の準備がまだ出来てないのよ…って、ちょっと待ってよ!(汗)
そんなことを思っている私にお構い無く彼はズカズカと入っていく。
病室の前で入るか入らないかどうしようとウロウロ迷っていた私も、顔を見るだけならいいかという考えに落ち着いた。
「おじゃましまーす…」
そう言って、私も彼の後をこそこそと入っていった。
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作者名:樹乃 | 作成日時:2016年10月3日 17時