【倉持洋一とキャッチボール(2)】★ ページ36
直ぐ様謝ったものの、私の顔には笑みが残ってて、倉持は半目のまま。
「…Aさん…」
「いやぁ、あのくらいの子は思ったことそのまま言っちゃうから面白いよねぇ。知り合い？」
窓の桟に頬杖をついて聞くと、倉持はまた男の子が帰っていった方向へ顔を向ける。
「いや、たまたま見学に来てて、練習終わってから向こうから話しかけてきたんで…」
それでキャッチボールしてあげてたのか。
なんだかんだ言って倉持は面倒見いいからなぁ。
…それにしても…
「…こ、怖い顔…！」
さっきの二人の会話を思い出して、込み上げてくる笑いを堪えていると、それに気付いた倉持が恨みがましい視線を向けてきた。
「…Aさん…いい加減怒るっすよ…」
「や、やだな怒んないでよ〜。ほら、余計に怖い顔になるよ？」
「余計にってどういう意味っすか！」
「あの子も言ってたじゃん。倉持は、視線でランナー殺せるぐらい攻撃力のある顔だって。」
「そこまで言ってなかったっすよ！勝手に話を盛らないでください！」
ギン、と強い視線で、でもどこか拗ねたように言う倉持に、私は「ごめんごめん」と再度謝ってから続けた。
「…でも、あの子もさぁ、本当に怖かったら話しかけてこないよ。倉持は優しい人だって直感的にわかってたのかもね。」
窓の桟に頬杖をついたままニヤリと笑ってやると、倉持は「別に…優しいってワケじゃ…」とか何とかゴニョゴニョ言いながら視線を逸らしてしまった。
…ふむ、照れてるな？
そのまま続けてイジッてやろうかとも思ったけど、それよりやりたいことがあった私はクスッと笑ってから口を開く。
「ねぇ倉持！私もキャッチボールやりたい！」
「…は？」
「ちょっとだけ！付き合ってよ！」
そう言って、私は倉持の返事を待たずにバタバタと準備を始めた。
倉持なら、きっと断ったりしないはず。
そう思っていると、窓の外からため息とともに「…ちょっとだけっすよ…」という声が聞こえて…
私は嬉しくなって、一人で笑みを浮かべた。
＊ ＊ ＊
「倉持！私、変化球投げてみたい！投げ方教えてよ！カーブとかさ！」
「はぁ？普通のキャッチボールでいいじゃないっすか…」
「いいじゃん、一つくらい！」
「…ったく…じゃあ、ちょっとピースしてください。」
「え、こう？」
「そうそう。んで、その指の間にボールをこう…」
「いっ…！たい痛い痛い！メリメリいってる！フォークはダメだって！」
(ノンピ様リク)
【多田野樹の罰ゲーム(1)】★→←【倉持洋一とキャッチボール(1)】★
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雪星(プロフ) - さーたんさん» 楽しんでもらえたようで良かったです！とりあえず、照れはするだろうな、と。それからの反応はそれぞれ違うだろうな、と思いながら書きました(>_<)ゾノはこのシリーズのオチ担当です(笑) (2017年3月2日 20時) (
レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - のりさん» ゾノは、あの歌を歌ってる場面がポンッと降ってきまして(笑)御幸の回なのになんだかゾノがメインになってしまったような…(^^;まぁ面白くなったからいいかな、と(^^; (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 桜さん» いえいえ、こちらこそせっかくリクしていただいたのに、お応えできなくて申し訳ありません(T_T)再開したら、またヨロシクお願いします！ (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
さーたん - やばいですね！！！事故チューどれも最高でしたッ！金丸はかわいいし亮さんはかっこいい！！そしてゾノの登場にはわらいました笑 みんなが照れててテンション上がりました笑 ありがとうございます！！笑 (2017年2月19日 0時) (レス) id: a56f300cf9 (このIDを非表示/違反報告)
のり - 雪星さん» ども、おひさです。…とりあえず、ゾノwお主は我をわらかしてくるのぅw御幸の話を読むとデリカシークラッシャー御幸を思い出してただでさえ吹いちゃうのにw (2017年2月16日 23時) (レス) id: 7a0132dcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪星
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年7月29日 18時
