クレイジーサイコホモ系幽霊【うちはマダラ】

21【委員長side】 ページ23

【委員長side】





委「……ごめん、そうね、ちゃんと話すわ」




俯き黙って後藤くんの話に耳を傾けていたのち顔をあげ、


Aさんと後藤くんの顔を交互に見たあとそう言い、語り出した








委「私達がまだ中学生だったとき、一回だけこの旧校舎で
　 肝試しのイベントがあったの覚えてる？」




「『！』」









私が中学2年生の夏


鳴門高校の旧校舎で肝試しをするというイベントが地域内で発案された


当時の旧校舎は、前の年に今の新校舎が完成するまでは生徒達が通い学んでいたということもあり、


まだこの校舎の中には生活感が残っていた


衛生面でも安全面でも鳴門高校の旧校舎を肝試しの会場に使おうという声は多かった






その年の夏は暑かった


地域内で行うイベントなど数知れていた当時の小中高生は皆

このイベントの開催に喜び参加人数もそれなりに多かった




私も当時高校2年生だった兄と共に旧校舎で行われる肝試しに参加していた



ルールは
2人1組になって旧校舎の屋上にあらかじめ置いてある鈴を1つ取ってくること



私は兄とペアになり自分たちの順番が回ってくるのを待っていた





私達の順番が回ってくるときにはもう既に夜もふけ懐中電灯1つでは心細いくらい旧校舎の黒は深くなっていた



校舎の中を進む私と兄。



懐中電灯の灯りに外にいた小バエ達が群がる





3階までの階段を一気に登り少し先の屋上に通じる扉を兄と2人で通った




頬を通り抜ける生ぬるい風、鳴り止まないセミの声





掴んでいた屋上の鉄の扉は場違いな程ひんやり冷たくて、

それでいて気持ち良かった記憶がある




「あ！鈴！見つけた！！」



開けた屋外のど真ん中に置かれている机の上に何個かの鈴を見つけた



瞬間、兄の腕を強引に引いて鈴まで走った

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