クレイジーサイコホモ系幽霊【うちはマダラ】

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「俺が見えるのか？」




『え、えぇーと』





内心、急に声をかけてしまったことに焦って、変な人だと思われなければいいなと思っていたのだが


前言撤回、変な人はこの男の方だ




なんだ、この人は

なんでこんなにも驚いているんだろう



まるで今まで誰にも見られたことがないかのように……



そこまで考えて恐ろしいことに気がついてしまった





この男、半透明だということに



それに気づいた瞬間先程、男が言ったセリフを思い出す




____「俺が見えるのか？」



これ程までにヒントを与えられれば流石に分かってしまう
分かりたくはないのに分かってしまった



いやでもあり得ないだろう、そうだ今は朝だ



こんな通学時間に堂々とそんな存在がいて良いハズがない




しかし今現在は通学時間

そう、私以外にも校門をくぐって学校に入っていく生徒はいるのだ




それにも関わらず私以外、誰一人としてこの男に見向きもしない


どちらかと言えば校門近くで突っ立っている私の方をみんな見ている




切実にやめてほしい



じゃあこれは私の幻覚なのだろうか？

いやでも最近はそんなに疲れるようなことは



ぐるぐると考え込む私の思考回路を断ったのは他でもない目の前の男だった




「おい、俺が見えるのかと聞いているんだ」




『み、見えるっちゃ見えるんですけど……その、見えちゃっていい類いのものなのかは今考えてる途中なのでちょっとまって下さい』




「なにを言ってるんだ」




ド正論なのかもしれない、だって他でもない私の目の前に今いるんだから






「…はぁ」

痺れを切らしたのか、ため息をつく目の前の男


そんな男とは対照的に私は何かが始まる予感に期待に似たなにかを感じていた








いっそ認めてしまおう、





この男は幽霊だ

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