クレイジーサイコホモ系幽霊【うちはマダラ】

プロローグ ページ1

何気ない夏の日のことだった





私の通う高校はだいぶ田舎の山の中に位置している


といってもこの近辺では高校は1つしかなく、


通っている生徒はそれなりにいる






その日も




いつも通りの時間に起きて、いつも通りの時間に家を出た


そしていつも通りに校門をくぐるはずだった




彼を見つけるまでは




古びた、だいぶ年季の入った校舎の近くに並んでいる桜の木


7月上旬ということもあり、桜の木の葉はすでに青々と生い茂っている


桜並木が作る木陰の中にたたずむ人影を見つけ、私は立ち止まった



「あ、あの」



気づいた時には私は既に声をかけていた




場に溶け込めない戦時中を思わせる服装




黒く靡く長髪




端正な顔立ち




話しかけるには十分すぎるほど怪しい男だった、


私の中に疑惑の念が湧く、と同時に彼の事をもっと知りたいと思った











長髪の男は驚いたようにこちらに振り向いた











そして一言












思えばこの瞬間から全て始まったのだと思う






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「俺のことが見えるのか？」

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