`･141･´ :対峙 No side ページ36
＊
午後の授業が終わり、部活動に向かったり帰路についたりと生徒たちが騒がしく移動している校舎と、それとは対照的に閑散とした特別棟。
普段物音ひとつない冷たい廊下に、コツコツと一人分の靴音が響く
「この校舎に何か用？」
「っ!?」
角を曲がった瞬間陰に隠れていた人物に声を掛けられる。
そこにいたのは彼女が長年恨んで止まないよく見知った顔だった。
「あは、そんなにびっくりしないでよ。
旧知の仲じゃん。」
「……お前からそんな風に言うって頭おかしいんじゃない？
何のつもり？」
「何のつもり？
ボケてんの？……面白いね。」
もたれていた身を壁から起こしてどんどん此方に近づいて来ると、
その姿が薄灯りで明らかになった。
特徴的な蒼く澄んだ目が彼女を捉え、紅く薄い唇が綺麗に弧を描く。
その笑顔は非情で冷酷そのもの、
それでいて嫌悪している彼女ですら惹き込まれてしまうような美しさがある。
「そんなの自分が一番よぉーーーく分かってるだろ？
人の幸せって壊したくなるもんなぁ？」
「……お前の好き勝手にはさせない」
「はぁ？どの口が言ってんの？笑
男の尻ばっか追いかけてるくせにさぁ。」
所詮は他人でしか自分の価値を測れない小物が。
心の底から馬鹿にしたように鼻で嗤う。
そして、その影は更に此方に近づいて遂に真横に向かい合わせると、
まるで甘ァい悪魔の囁きのように彼女の耳元に口を寄せた。
「やれるだけやってみればいいよ。」
この狭い社会で力試しをするのもいいんじゃない？
そう言った唇がもう一度綺麗に弧を描いて、手にしていた封筒を彼女に押しつけると
その影は階下へ消えて行った。
残った彼女が憤怒に満ちた顔で渡された封筒を破り開けると、
そこには紙の束が纏められて入っていた。
彼女はそれをぐしゃりと潰して視線をあげると、
止まっていた足を再び動かし始めた。
`･142･´ :校長命令☆→←`･140･´ :ここは任して
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怪し嵐(プロフ) - あやかさん» あやかさんコメありがとうございます、そして返事が遅くなってしまってすみません(-_-;)また更新速度が落ちてしまってお待たせしてしまっているのですが、それでもこの作品を好いてくれてそれを伝えてくださってとても嬉しいです!!これからもよろしくおねがいします^^ (2021年1月4日 6時) (
レス) id: 3145bc03a2 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 更新してくださってありがとうございます。最近更新が多くて嬉しみの舞踊ってます。個人的には順位着いて当然の作品だと思います。そのくらい好きです！次の更新も楽しみにしています。 (2020年10月12日 10時) (レス) id: 02acaba440 (このIDを非表示/違反報告)
怪し嵐(プロフ) - さくらもちさん» さくらもちさん、お久しぶりです&再びコメントありがとうございます!!私も色々ぴえんな事(便乗)が多い中、趣味として書かせて頂いている作品を読んで貰えたり感想を頂けたりが心の支えになっております。まだまだ気を抜けない時勢ですがお互い頑張っていきましょう!!^^ (2020年8月16日 2時) (レス) id: 3145bc03a2 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち - お久しぶりです。コロナでどこも行けずぴえんな感じ（言葉遣いを改めろ）だったのですが、本当に癒しです！ステキな小説をいつもありがとうございます。これからも頑張ってください！応援しています！ (2020年8月9日 19時) (レス) id: e6376445f1 (このIDを非表示/違反報告)
怪し嵐(プロフ) - あやかさん» あやかさん、コメントありがとうございます。結構長い期間に渡り書いていることもあって金髪姫ちゃんには思い入れが凄くあるのでタイプと言っていただけてとても嬉しいです!^^やる気だけは十二分にあるのでこれからも面白いと言っていただけるよう頑張ります(≧▽≦) (2020年7月1日 4時) (レス) id: 3145bc03a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありゃっしー | 作成日時：2020年4月22日 2時
