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月日を埋めるように過ごした一晩を思い出してはニヤついてしまうのは、次に会う約束の理由を作るようにして本を一冊借りてから数日経っても変わらなかった。
とはいえ日常は相も変わらず続いていくわけで、うつつを抜かしてる間に溜まった提出物の類を片付けるべく俺は大学の側のカフェでパソコンを開いていた。
「翔ちゃん？」
両腕の間に置いたカフェラテを、ずず、と吸ったとき懐かしい声がした。懐かしいとは思いつつ頭の中でモンタージュがパタパタと組み合わさってその顔は曖昧で。コンマ数秒の思い出しチャレンジに敗北して声の方を向けば、曖昧だった顔が途端に明確になる。
「うわ、ニノじゃん。久し振り！」
高校の頃、図書室常連と図書委員な関係だったニノ。卒業してから何回か遊んだけど、最後に会ってから多分一年以上は経ってる。
「久し振りだよねぇ。しっかり大学生してんの」
「まぁほどほどに」
ここ、良い？と向かいの空席を指したニノに快諾を示せば、当時と同じ顔でにっこり笑って腰掛けた。会わない間に変わったのは髪型くらいかな。座って早々に頬杖をつく仕草で、ちょっと長めのふわふわした前髪が揺れる。
「俺も大学行っとけばよかったなぁ」
パソコンを閉じてバッグにしまう間、ふにゃりとした声が耳に届いた。高校卒業後、ニノは進学せずに夢に向かう道を選んだのだ。
「音楽で食ってくって息巻いてたのに降参？」
「やー、音楽は音楽でやりたいのよ。でもさぁフリーターするにも高卒だと出来るバイト限られちゃって」
「そうなの？」
「そー。だから大学行きながら音楽やって、そっから考えればよかったなって。今更だけど」
まぁ確かにその方が人生に於いて選択肢が増えるのは、そうなんだけど。大学出てりゃ必ずマトモなバイトや仕事に就けるかって聞かれたらそれは多分NOだ。とか思ってたら懐かしい名を聞くこととなる。
「だってさ考えてみたら相葉さんですら大学出てんのよ？教師やれてんだから」
「相葉ってうちの担任だった相葉？」
声がでかくて力加減も馬鹿で明るくて真っ直ぐで、卒業式の日ものごつ泣いてた担任。生徒より泣くから若干引かれてた担任。なんだかんだ生徒想いの、人気の先生だった。確かニノのクラスも体育は相葉先生が担当だったんだ。
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7oh(プロフ) - 薫さん、おはようございます！読んでいただきありがとうございます。褒めてもらえてうれしいです！ありがたきハピネスです！！葉山先生より少し色がある、っていうのグッときました。先生側の話もお楽しみに！ (2019年7月1日 8時) (
レス) id: c7b4c0e1dc (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 7ohさんこんばんは！いっきに読んでしまいました。翔くんの歳下なのに潤の扱い方とかチャラい外見とか、私の好きな要素がつまっててありがとうの世界です！潤は、葉山先生より少し色がある感じ…翔く素敵です。いいです。別バージョン楽しみに待ってます (2019年7月1日 2時) (レス) id: 93fa30b886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：7oh
| 作成日時：2019年6月30日 21時
