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88_上の空(伊月side) ページ41

.



「ここ期末出しますからね〜」


「……」






国語の先生が淡々と授業を進めている。


朝練が無かったから、

いつもより眠たくはないんだけど…





「___じゃあ、教科書の40ページを…」






いつもより授業に集中出来ない。






「3番…伊月。音読して。」


「……」






今朝以来ずっと上の空だ。









「____ッ……俊ッ…!」


「……?」





隣の席で、Aが小声で俺を呼ぶ。






「俊って…!」


「……」






よく見ると、睫毛長いな…A。








「____!」





授業中だって事、忘れてた。





「すいません…」

「40ページ一行目からだぞ。」






普段なら絶対こんな事やらかさない。

普通に恥ずかしいし……





………って、これ社会の教科書。






「……はは」

「寝不足かー?小林、ちょっと教科書貸してやりなさい。」

「あ、はいっ」






よりによってAの教科書…


あちこちから野次が飛ぶ。






「何やってんだよ伊月ー(笑)」


「今朝の事で、小林に見とれてたか〜?」





ん?


"今朝の事"って、何だ…?





____________________





男子更衣室にて。







「は…?」




中学生の噂って、

確証ないくせに広まるから本当怖い。





「何、キスって…」

「はっきり見たって奴いるぜ?」

「……」





大体どの辺かはわかる。


勿論、キスした訳じゃない。




けど……







キス、"しかけた" なんて…







冗談でも言えない。






クラスの奴にも、無論、Aにだって。







〜〜〜





「体育委員二名は、用具室からボールを準備してきて下さい。」

「はいっ」




体育委員…

あ、俺と松尾だ。






〜〜〜






「伊月君、今朝はありがとうね。」

「…今朝?」

「Aもだけど、2人で噂の誤解解いてくれて。」




あぁ…





「やっぱり松尾、あの場に居たんだ。」

「……気づいてたの?」






未発達だけど、視野は他人より広い。








「伊月君、Aの事好きだよね?」


「……またその話?」


「伊月君の気持ちがわかったら、諦めるから…」








何それ…白状しろって事?


他人に言えない程、日に日に強まっていく


この気持ちを?








「好きとかじゃないから。」








結局また、噂をついた。







「……」








そういえば、


松尾はいつから"見ていた"んだろうって


後になって、疑問に思った。

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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年3月10日 18時

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