86_傷つけた ページ39
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「その話誰が言ってたの！？」
自分に、ここまでの行動力があったなんて
自分が１番驚いている。
「小林さん…」
「今の…今の話どういう事？なんでひなが話題に上がったの？」
正直言うと怖い。
噂話が好きな女子は、苦手。
「てか小林さん、マジで松尾ひなのと仲良いの？」
「え…？」
「１番の被害者じゃん、小林さん。」
「は…？」
ほら、何言ってるのかわからない。
「小林さん、人が良いからあいつに利用されてんだよ。」
「何の事…？」
「だから、小林さんから伊月君を盗ろうとしてるんだって！」
「……！？」
な、なんで・・俊？
「そっか。あの噂、まだ消えてなかったのか…」
「あり？２人付き合ってんじゃないの？」
「「……」」
わかったかも、私…
「不安」と「違和感」。
両方の正体を・・・
「ひな…」
なんで私に何も言わなかったの…？
『勝手に自分を悪い人間だって決めつけられて、影で悪口言われるのはムカついた…』
前にひな、自分で言ってた。
まさしく今回の事だ。
傷ついたに決まってる。
ひなは何も悪くないのに、なんで？
『小林さん、伊月君と付き合ってるの？』
『俊とは、幼なじみだから…』
………待って、私？
あの時、ちゃんと否定しなかった。
だからなの？
「私のせいだ…」
「えーっと、何？全部ガセ？」
「俺とAが付き合ってるってのも全部嘘だから。まだ勘違いしてる人いたら教えといてくれる？」
ひな…、ごめん。
『ひなが友達になってあげる！』
『ひなはAの事を１番の親友だと思ってるよ』
ひなは、私の事を助けてくれたのに
私のせいで、ひなを傷つけた。
「…ひなに謝らないと」
「……」
「…嫌いにならないよね？」
「A…」
「ひな、私の事嫌いになったりなんてしないよね？」
「……ならないよ。」
"松尾は、Aの親友だろ"
そう言って俊は、私の頭に手を置いた。
「松尾だって芯の強い奴だから、噂なんて気にしてないんじゃない？」
「……うん」
そういえば、
俊に対しての積極性が無くなったのも
噂が関係しているのかな・・
いやでも、
私と俊が付き合っていないとという事はわかっていたはず。
何か他に理由が……？
「………」
これで全てが落ち着けば、どれだけ良かったのかな。
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作者名：ぴこ | 作成日時：2018年3月10日 18時
