72_梅雨と女心と不良 ページ25
６月も終盤に差し迫った今日。
「まだ梅雨明けないなー」
雨の止まない外の景色を見つめながら、俊と話す。
今年の梅雨は本当に長い。
「そういやA、中間考査１位だったんだって？」
「だ、誰から聞…「ひなだよ♪」
うわぁっ…背中に重力が…
「おはよ！A、伊月君♪」
背中に密着していた身体が離れたのを感じて後ろを見ると、
相も変わらず可愛い顔。
「ひなが俊に話したの？」
「うん！だってA凄いんだもん！」
「仲良くなったんだね２人。」
なんだかお似合いって感じ。
身長も・・
私(156��)と俊は同じぐらいだけど、
ひな(146��)は小さくて、"彼女"って感じ。
私なんかよりよっぽど、
女の子らしく小さくて、元気で可愛い。
ひなが羨ましいな。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
放課後、私達は傘を差して下校していた。
「伊月君にね、数学の教科書貸して貰ったの。その後色々話してね、」
「へぇ〜」
ひなは、沢山の男子に人気がある。
それ故か、自分から積極的には男子と関わろうとしない。
「何だろ…伊月君は、村井君みたいな男子とは違うよね。大人っていうか〜」
「俊が大人？(笑)」
「でも伊月君、普通にモテてるよ？昨日だって、女バスの子達と仲良く話してた！」
「そうなんだ…」
まあ、昔から誰に対しても優しいからな・・
「妙に女心解ってるというか・・」
「俊って上も下も女姉妹だからね」
この時から既に
ひなは、俊の事を意識し始めたのだと思う。
.
「Aあれ見て！」
「？」
唐突にひなが指差したのは、今私達が歩いている川沿いの降りた所。
「金髪の不良がいる」
不良？
「あ、本当だ…」
「喧嘩に負けたのかな？」
「どうだろ…」
その不良(?)は、この激しい雨の中傘も差さずに１人でぼうっと突っ立っていた。
何か考え事をしている様にも見える。
・・・あっ
「「！？」」
目がばっちり合った！！
「に、逃げようA！」
「ひな！？」
そのまま、ひなに引っ張られながら川沿いを後にした。
「ﾊｧ…ﾊｧ…不良こわーい…」
目の前ではひなが息切れをしている。
「うん…」
私も同じように息を切らす。
心臓があり得ないくらいドキドキ言ってる。
「あれ、A、なんか」
「？」
「顔、赤くない？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴこ | 作成日時：2018年3月10日 18時
