68_友達 ページ21
中学校は大嫌い。
男子はガキだしうるさいし、
女子は陰で悪口言ってるの聞こえるし…
別にそれはそれで構わなかった。
事実、私も嫌いだから。
嫌われたって、何とも思わない。
唯一私の事を嫌わないでいてくれる人がいるから。
俊と他愛もない話をしている時間だけが、唯一の楽しい時間。
俊さえいてくれれば、嫌われる事なんて恐くなかった。
「小林さんって男友達いるのに女友達いないんだ」
「やっぱり性格キツい子なのかな?」
教室に戻るとまた、陰口が聞こえてくる。
聞こえていないフリをして、席に着いた。
「でもさ、話してみないとわかんなくない?」
______えっ?
「あ、でもやっぱ怖い(笑)」
「私に話しかけないでオーラ出てるよね〜」
「大人っぽいしね、小林さん」
なん・・だ
ちょっとだけ喜んだ私が馬鹿みたい。
「てか黒バス読んだ?」
「読んだ読んだ!」
「え!?もう新刊出てんの?」
あれ、もう何にも聞こえてこなくなった。
さっきまで、嫌というほど私の話が聞こえていたのに・・
都合の良い耳を持ったんだな、私も。
.
「ねえ!」
「……!?」
突然声をかけられて見上げると、そこには眩しすぎる太陽があった。
「アンタって『話しかけないでオーラ』出してんの?」
「……へ?」
「あの3人が言ってたから。」
驚いた。
「なっ…!?」
「松尾…さん?」
「え?聞いてたの?」
彼女の度胸に。
「いや…」
「フーン。だってさ!」
「「「・・・」」」
3人は罰が悪そうに黙り込んだ後、
それぞれが自分の席へと戻って行った。
「ま、松尾さん…」
「何?」
近くで見ると顔ちっちゃいな、この子。
「ありがとう…」
「・・・」
あれ、無言?
「プッ…あはははっ(笑)」
「えっ?」
わ、わ、笑った!?
これにはクラス中が驚いていた。
「何その掠れた声!いつもそんなに声小さいの?(笑)」
「そ、そんな事は…」
「てか、言うほどキツそうな顔でもないじゃん。逆に弱そうだし(笑)」
「!?」
今のも悪口・・ではないのか??
「あー、でも睫毛長いの羨ましいかも!」
「あの…」
「女友達いないんでしょ?」
「!!」
ド直球・・!!
「可哀想だから…」
「・・・」
「ひなが友達になってあげる!」
「えっ!?」
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年3月10日 18時