恋滴の虹 -tear drop- 02【伊月俊】 (ページ19)

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66_うるさい笑い声ページ19

中学校の入学式。

公立中学だから当然、小学校から顔馴染みのメンツばかりが集まる。

「何組だったー？」とか、「同じクラスだ！」とか、周りは皆、友達と一緒に喜びの気持ちだったりを享受している。

「１年１組…」

それが私のクラスだった。

ガラッと教室のドアを開けると、

入学式だというのに教室内は騒がしかった。

これまた見慣れた顔がいくつもある。

中には違う小学校の人達もいるけど…

「ﾊｧ…」

うるさい。

席についてそう思った時だった。

「あれ、小林ー？」

「！」

声のする方を見ると、小６で同じクラスだった男子数名が私を好奇な目で見ていた。

１人は机の上に座っていて、そいつが１番存在感がある。

「なんで居んの？私立行くんじゃなかったのー？笑」

「……」

最低。大嫌い。

元から嫌いだったけどさ…

「もしかして落ちたの？あんなに毎日ガリ勉してたのに？」

「小林ドンマイ！」

「「「あははははっ」」」

うっさい、黙れ。

みんな受験したことないくせに・・

「１組のみなさーん！小林さんと友達になってあげてくださーい！」

「え？小林さん友達いないの？」

「てか村井ひでぇー(笑)」

「「「あははははっ」」」

その笑い声、うるさすぎて鼓膜が破れそう。

「え、小林さんって普通に友達いたくない？」

「なんか、６年になって勉強ばっかりしてたから皆避けてたんだって」

「影で見下してるのかな、私達の事。」

「バカとは住む世界が違いますよー的な？」

そうよ・・皆バカよ。

いつも視界に入ったってスルーするくせに、

都合の良い時だけ興味を示す。

黙って見てるだけの連中だって、

皆バカ・・

「「「あははははっ」」」

うるさい

うるさい

うるさい

うるさい

「…うる「ねえ！」

怒りが頂点に達した時、私は…

「……！」

ある１人へと、視線が釘付けになった。

…それは恐らく私だけじゃない。

「「「(((可愛い…)))」」」

その子は、誰から見ても可愛い女の子だった。

「そこ、"ひな"の席なんだけど」

「……は？」

「人の机に座ってんじゃねーよ！」

だけど私は、彼女を"かっこいい"と思った。

怒りなど忘れて、彼女に見惚れてしまっていた。

「…何見てんの？」

「えっ…あ、いや」

これが、後の親友となる

「松尾ひなの」との出会いだった。