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65_中学校生活 ページ18

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私の中学校生活。



そのスタートは「最悪」と言って良かった。




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『勉強をしろ。』






偉大な父に、幼い頃から言われてきた言葉。




友達と遊びたくても、

放課後に寄り道に行きたくなっても



父が言ってたその言葉が、

私の心に歯止めをかけていた。








『凌真、よくやったじゃないか。』

『おめでとう凌くん。』






小5の冬、1個上の兄が

名門中学の入試に合格した。




兄は昔から優秀で且つ要領も良く、

いつも飄々としていながらも、

両親の期待に応え続けてきた。








『Aも、凌真の後をついて行くんだぞ。』

『・・・はい。』







次は私が期待に応える番だった。




家でも学校でも私は、


「勉強」という2文字を忘れたことはなかった。





………だけど、







『あ、れ・・?』






合格発表の日、

私の受験番号は無かった。







『ごめんなさい・・お父さん。』


『・・・残念だったな。』






そこは中高一貫校だったため、

エスカレーター式で高校に内部進学する事が出来る。




それはどういう事か。




高校受験の必要性が無くなるため、

中3時には既に、高1で習う範囲を学習する。


そして高2からはもう、大学受験に向けた授業が始まる。




他の同学年と、圧倒的な差をつける事が出来るのだった。




この中学受験が、私にとっても両親にとっても


どれほど大切なものであったかがわかる。








『て言うかA、受験前インフルだったじゃん。まあ、仕方ないんじゃね?』





兄は、良くも悪くも楽天的な人だった。







『甘やかすな、凌真。体調管理こそ、受験勉強の基本である事はAもよく解っていたはずだ。』


『あぁ、そっか…』







きっと父にとって、


私の中学受験合格は通過点に過ぎない。








『ごめんなさい・・』








その通過点にすら、私は立てなかった。



12歳にして、「屈辱」とはこの事を言うのだと実感した。









『中学では常に1番の成績を取りなさい。父さんが言えるのはこれだけだ。』


『父さんそれは流石に酷じゃ…『はい。』









既にこの頃から、薄々気づいていた。



私と兄の、そもそもの出来の違いを。









エリート一家の中で、


私だけが凡庸であったことに。

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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年3月10日 18時

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