49_1番近くに ページ2
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目を開けると、視界全体に大画面が。
辺りは真っ暗で、人もいない。
「怖い…」
大画面からは、欧米人と思しき男女の会話が聞こえてくる。
あ、そっか、
ここは映画館。
今は宮地さんとのデート中なんだった。
「宮地さん!」
お客さんは私達2人だけ。
それなのに、
「・・・」
私が彼を呼んでも何も返答なし。
「・・宮地さ「偽善者。」
えっ?
「嘘つき…、大嫌い。」
これは宮地さんが言ったんじゃない。
「誰!?」
辺りを見渡しても、暗いから人の姿が認識できない。
「Aなんて大嫌い!」
_______!!
「ごめん・・ごめんね・・」
映画なんかをよそに、私は叫んだ。
こんなに胸が痛いのに、涙が出ないのが憎い。
「何かあった?」
「宮地さん・・」
宮地さん、私は・・
「偽善者。」
「え、」
偽善者。
偽善者。
偽善者。
「もう、嫌・・!」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「_______ハッ!?」
なんだ、夢か・・
「・・ここどこ?」
私は知らない部屋の、知らないベッドで寝ていた。
服も髪も濡れていて、
湿ったインナーが地肌に貼り付いて寒気がする。
「______き"ゃ"!?」
すぐには気づかなかったけど、
寝起きの私の様子を眺めている知らない人・・
否、知ってる人だ。
「俊!なんで!?」
よくよく見渡してみるに、ここって
"そういう"ホテルだよね・・
「A、記憶にないの?」
「・・えっ?」
今日の事を思い出す。
クリスマス。
宮地さんとのデート当日で、ずっと楽しみにしていて・・
あれ?
「デ、デ、デートは!?」
思い出した。
私の愚かな行いも。
「今、何時?」
「もう昼過ぎ。」
最悪。
宮地さん、待ちくたびれただろうな
さすがに嫌われちゃったな…
「宮地さんは、Aの事を待ってるよ」
「へ?」
何の根拠があって…?
「好きな子のためなら、何があろうと待ち続けるもんだから。男って。」
「俊・・」
ねえ、俊
どうしていつも、私が辛い時
1番近くに居てくれるの?
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年3月10日 18時