48_君の顔(伊月side) ページ49
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俺は、小林Aの色んな顔を知っている。
笑った顔。
怒った顔。
困ったような顔。
悲しそうな顔。
不貞腐れた時の顔。
寂しそうな顔。
挙げていったら、キリがないな。
「クリスマスに雨降られたら、折角のイルミネーション、見られなくなるね。」
返答なし、か。
「寝るのはや」
そういや、Aって無駄に寝付き良いんだったな。
「ハァ…どうするか。」
Aが寝ているベッド付近には、
無造作に放り投げられた荷物が散乱している。
壊れたスマホはその中でも異彩を放ってた。
これはひどい・・
「確かにAんちお金持ちだけどさ・・」
水も浸透してるから、データ諸々消えてるな。
「A、ここに寝に来た訳じゃないから、」
さっさと起きて、宮地さんの所行かないと。
そう、思った。
だけど、
「・・やっぱり、もう少し寝てて。」
目を開けたらAは、
宮地さんの事を考えるようになる。
目の前にいる俺には、見向きもしないで。
だったら、もうしばらくは、夢の中に居て。
「A…」
辛い事が、あったんだね。
いつも、1人で抱え込もうとするよね。
俺に頼って、良いのに。
遠慮なんてしなくても、良いのに。
「ごめん、」
Aが1番辛い時、
俺が気づいてあげられなくて。
それと、
「ごめんね、あの時は。」
Aの記憶からは、もう消し去られてるかな。
その方が、有り難い。
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「A、好きだよ。」
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俺は、今日はじめて
Aが泣いている姿を見た。
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__To be continued__
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時