39_ケーキ(宮地side) ページ40
ついに・・ついにこの日が来た・・!
「宮地君今日で辞めちゃうのか〜(泣)」
店長にはまた会いに行くよ!
「女性のお客さんが減少するのが心配だなぁ」
そっちかよ!!
「んじゃ俺、上がらせてもらいます。」
「あ、待った宮地君」
「?」
すると、店長が急ぎ足で冷蔵庫から何かを取り出した。
「これ、僕からのささやかなお礼」
「ケーキ!良いんすか!?」
「うん。宮地君は店の売り上げUPに大きく貢献したと言っても過言ではない存在だったからね。」
「店長・・」
いつか絶対この人と飲みに行こう。
「今までありがとうございました。」
人生で出会ったおっさんのうち良い人ランキングトップ3に入るであろう店長とこうして会えなくなるのは名残惜しい・・
が、こうして"区切り"をつける事も人生経験だ。
.
「しかしどうするかコレ・・」
貰った事には非常にありがたいが、甘い物は得意な方ではない。
カキフライ盛り合わせとかなら余裕だけど。
「宮地さん!」
「!!おぉ…」
・・あ、そうだ。
「お前ケーキ好き?」
「え?まぁ、はい」
だよな、女子だし。
「バイト今日で最終日だから、店長から貰った。帰って食おうぜ。」
「・・はい!」
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『本日のゲストは、アメリカから帰国してきました!U大学在外中のエリートイケメン・小林凌真さんです!』
帰宅して、彼女の風呂上がりを待っているとテレビにあのイケメンが映し出された。
目の前の画面中にいるハイスペック過ぎるイケメンの妹が、今俺の部屋の風呂を使っている。
すげー状況だな(笑)
『クイズ番組以外のテレビ出演は初だと!』
『そうなんですよー実は(笑)』
こんなとんでもない兄貴を持てば、自信失くすのも無理ねーよな・・
「うわ、お兄ちゃん」
「お前の兄貴バラエティーにも______」
不意討ちで危うく殺されかけた。
「お風呂、ありがとうございました。」
「おー・・」
慣れだとはいえ、
不意討ちで風呂上がり姿を見せられると・・
「兄がテレビに映ってるの見るの、何だか気持ち悪いです。」
「じゃ消すか。」
気持ち悪い呼ばわりされたイケメンって・・
「お前何ケーキが良い?」
「・・チーズ」
雑音がしなくなった部屋で2人きり。
仄かに漂う、俺と同じシャンプーの香り。
若干、気まずい。
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時