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25_危機感皆無(宮地side) ページ26

PM22:30





「靴適当で良いから。」

「はい」





俺は今、小林Aを自室に入れている(2回目)。




「荷物適当に放り投げて」

「は、はい」




案の定彼女は、部屋に入る直前で足を踏み入れるのを躊躇した。





「ベロンベロンに酔ってた時は駆け込んで来たんだがな。」


「わ、わかってますよ」





あの酔っぱらい姿は、ある意味貴重だったのかもしれない。





「あー・・じゃあこうしよ。
俺の指先が1ミリでもお前に当たれば、その瞬間110番にでも伊月にでも好きに通報してくれ。」


「そんな疑ってませんから・・!」


「あっそ、じゃあ早く入ってドア閉めて寒いから!」





バタン。





「入りました。」

「・・お、おう」





冷静に考えてこの状況、

三島達が見たらまた、「お持ち帰り成功かよ」とか言って笑うに違いない。




変な事考えるな俺…!


『指先触れたら110番』だ、よし!






「今夜だけだからな。明日からは同性の友人に頼み込めよ。」


「……」





そもそも、何故彼女が、あろうことか俺の家に"お泊まり"する事になったかって?




それは1時間前に遡る。







〜〜〜〜




『今朝、ストバスの試合に行く準備をしていた所、突然鍵が開く音がして・・』


『は?怖くね・・?』


『流石に怖かったです・・。
見ると、玄関に山口さんが立っていて・・手元には見に覚えのない合鍵が・・』


『ホラーだろ・・警察呼べよ』


『でも、相手は自分より一回り大きな成人男性・・下手に襲われでもしたら・・と、冷静に判断して、平然を装ってまずは山口さんを部屋の外にだして、話を聞いて・・』


『普通その時点で警察呼ぶ所だろ』


『・・すると、1回お茶してくれたら止めると言われたので・・流されるがままお店に入って・・でもやっぱりおかしいと思って、逃げるように皆さんとの待ち合わせ場所へ行ったんです。』


『成る程な』





〜〜〜〜







という訳だ。





「合鍵の件は、鍵の型変えるとかでどーにかなるとして、ストーカー行為自体は物理的に食い止められねーから、通報しかないな。」


「通報・・ですか」


「当たり前だ。話聞く限りソイツがやってる事は立派な犯罪だ。」


「でも・・通報はちょっと・・」


「は?ストーカーに同情してんの?」


「山口さんは、普段は温厚な方です。
私がはっきり断らなかったからこんな事に・・」


「お人好しかよ」









帰国子女といえ、


危機感の無さはさすがに引く。

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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時

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