さよなら…大好きだったよ

always likedー完ー ページ10

体育館へ行くと征十郎が待っていた。


「ごめんね征十郎。」

「大丈夫。んで要件は？実は俺も話がある。」


いきなり本題に入ってきた征十郎


「私はあとからでもいいよ。征十郎先どうぞ。」


「そうか…単刀直入に言う。」




「俺と別れてくれ」



まさか彼から言われるとは思わず私は
目を見開く
だけどすぐに冷静に戻る

そして征十郎はこう続けた。


「俺はもう一花の事を愛しきれなかった。守りきれなかった。いじめられているのに気づいてやれなかった。それに俺には他に好きなやつができた。」

一呼吸開けて征十郎は

「だから俺と別れてくれ。」

と私に告げた。


私は唇を噛み締めて泣くのを耐えた。


「私は……ッ…私もね、征十郎に別れを告げるためにここに呼んだの。」


「だから征十郎の返事は」








「はい。で」




「そうか。じゃあ俺は教室に戻るよ」


私は遠くなる背中を見つめた。


さよなら征十郎


愛してました

最後まで、この日まで

それでも終わりにするのは私なのですが

君の幸せな未来を、ただ願っている


君のいる世界で笑ったこと


君の見る未来を恨んだこと

君の声、君の温もり、態度、愛の全てに




「さよなら」






それから２日後征十郎に新しい彼女ができた。

それからさらに3日後

私は学校を辞めて

みんなの前から姿を消した。

誰も一花の行方を知るものはいない。





〜一章完結(過去編)〜

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