さよなら…大好きだったよ

always liked ページ36

視点もどります。


主人公side


なんで征十郎が涼太の家に？


私は思わず陰に隠れて様子をみていた。


「マーマー泣かす！にぃちゃんみたらマーマーかなしい！マーマー…ずっとないてる！
マーマー…ッ…マーマーーー！！！うわぁぁぁん！！」


まだ言葉足らずの春十は自分なりに
言葉を伝えようとしている。

そしてなんて言葉にしていいのかわからず

ついには泣いてしまった。

征十郎も流石に焦ったのか、どうにか
して春十を慰めようとするがなかなか
泣きやまない。

と思えば征十郎は春十を抱きしめ背中を撫でた


「すまない。ママを泣かしてすまない春十。
僕はどうしようもなく不器用で上手く伝えられなくてママを悲しませてきた。傷つけたのは紛れもなく僕だ。でもこれだけは言わせてくれ。
」


春十との距離を少しだけとり
顔を見合わせる


「一花…僕はママが好きなんだ。
ずっと前から…あれから気持ちは変わっていない。この気持ちに偽りはない。僕には一花
しかいないんだ。でも一花を…ッ一花を幸せにするどころか手離してしまった。
好きだから、好きだからもう僕は一花の隣にはいれない。いいかい？春十、君がママを守るんだ。これは僕との約束だ。男同士の約束だ。
いいな？」


お互いの小指が絡まった


征十郎が春十の頭を撫でると立ち上がり玄関の
方へと進んでいく


征十郎が帰る…

私はこれでいいの？


待って征十郎…

私はまだ貴方に何も伝えてないの…


「待って！征十郎！」


気がつけば私は名前を呼び
呼び止めていた。

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