さよなら…大好きだったよ

always liked ページ28

「一花俺は今でも一花のことが好きだ。この気持ちはずっと変わらない。
それに逢沢とは別れた。俺には一花しか
考えられない。」


その言葉に嘘はない。



「わ、私は…「征十郎そこでなにしている」


やっと彼女が話したと思えば
その声は知った声で掻き消された

そうだこの声は…

「父さん…？」


僕のお父さんだ。

なんで父さんがここに？

そう油断して彼女の手を握っていた手が
緩みその隙に彼女は僕を突き飛ばし
走り去って行った。

少し反応に遅れたけど僕は一花を追いかける。


「待ちなさい征十郎！」


父さんの声が聞こえたが僕は戻らないよ。


今追いかけないとどうしてもダメなんだ

あの頃みたいな思いをするのはもう散々だ

待ってくれッ……


「一花！！！」


僕は大声で彼女の名前を呼ぶが

人混みの中に紛れ見失ってしまった。

僕は立ち止まった


「くっそッ…！！なんでだ一花…どうして
僕の側から離れて行くんだ…僕は僕は…」



"一花とずっと一緒にいたいだけなのに"


次第に雨が強くなってきて


冷たい雨が僕の体をぬらしいていく。


叫んだ想いはきっと雨と一緒に

消えていくんだ


冷たい雨にも嫌がらずに打たれた


「好きだ…一花…ッ」


この声はもう君には

届かない。


ー征十郎side endー

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