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僕司君を救い隊!7 ページ5

「おい、赤司!?」


永吉が、僕を見て慌てだした。


永吉だけでなく、千尋や小太郎、玲央までもが驚いたような顔をして僕を見ている。


でも今の僕に、そんなことを気にしている余裕なんて微塵もありはしなかった。


だから、自分が泣いていることにも気づけなかった。


「ぼ、ぼく…ぼく、は…」


しゃくりあげてしまって、上手く言葉が紡げない。


そんな僕を、玲央が優しげな眼差しで見て、頭を撫でてくれた。


それは先輩が後輩のことを労るような、可愛がるような、ありふれたそれで。


嬉しかった、のだと思った。


「征ちゃん…ゆっくりでいいわ。貴方の気持ちを、私達に教えてちょうだい?」


「…っ」


いらないんだと思ってた。


僕は、勝利という名の基礎代謝をこなせなくなったら、いらないんだと、そうずっと思いこんでいた。


でも今、玲央は僕の話を聞いてくれている。


千尋はこんなどうしようもない僕を、殴らないでいてくれた。


小太郎はいつもと変わらない態度で接してくれた。


永吉は不器用なりに気をつかってくれた。


皆、負けた僕を責めたりなんかしなかったし、邪険に扱うこともしなかった。


…なら、期待してもいいんだろうか?


いてもいいんだろうか、僕は、この場所に。


「僕は、嫌われたくない…誰かに、愛されたい」


「赤司…お前、バカか…」


千尋の言う通り、バカでよかった。


バカでもいいから、僕は一人になりたくなかった。


「征ちゃん!」


僕は一瞬、玲央に抱きつかれたということにさえ気づけなかった。

赤司がホイホイだった話87→←赤司がホイホイだった話86



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設定タグ:黒バス , 赤司 , ホラー
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海月 - コドモアソビでしたっけ?あれはつくった曲ですよね!? (2018年3月31日 13時) (レス) id: 534fdfd1d0 (このIDを非表示/違反報告)
- メッチャ面白いです!ギャグも入ってるしホラーはちゃんと怖いw続き楽しみにしてます! (2015年10月26日 18時) (レス) id: 1fa7448f4f (このIDを非表示/違反報告)
涼ースズー - 私もゾンビ狩りしたいです!!! (2015年9月30日 22時) (レス) id: b08690dd4e (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - どうでもいいコメントしていいですか?← 幼児ココアよりアンパンマンカレーのほうが美味しいですよ← (2015年9月24日 22時) (レス) id: 923a1e5d93 (このIDを非表示/違反報告)
novel - 初めまして!すごく面白いです!早く続きが見たいです!更新、頑張って下さい!応援してます! (2015年9月9日 23時) (レス) id: 5956e8d0c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:腹黒さん★ | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2015年8月29日 1時

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