赤司がホイホイだった話95 ページ15
赤司side
(赤「今日の練習はここまでだ、各自しっかりストレッチをしてから解散するように」
そう宣言すると、チームメイト達はぞろぞろとボールやタイマーなどを片付け始める。
何も言わなくても率先して片付けを始めてくれるのは、正直ありがたい。
主将として俺もぼーっとしているわけにはいかないので、モップを取り出して床を拭くことにした。
すると、たまたまモップをやっていた紫原が近くに寄ってきて並んでやる状況になる。
効率を考えるならば、逆側のコートにいって欲しいのだが、そんなに細かく言って喧嘩になるのも面倒だったので好きにさせる。
暫くはお互いに無言だったのだが、唐突に、紫原が話しかけて来た。
(紫「ねえ、赤ちん。さっきの歌なんで流行ってるんだと思う?」
(赤「は?なんで俺に聞くんだ?」
(紫「えー…それは、だってさ…」
紫原は言い淀むと、こちらの顔色を伺うようにちらりと目線をよこした。
なんで、と言われても俺はつい先ほどまで歌が流行っているのさえしらなかったのだ。
それなのに理由を求められても困ると言うものだ。
(赤「何を期待したかは知らないが、そう言ったことは先輩に聞いた方がいいぞ」
なんともなしに、ただ思ったことを口にしただけだった。
先輩、そう言った途端に紫原の表情が曇ったのを俺は見逃さなかった。
(赤「お前は…その、先輩のことが嫌いなのか?」
(紫「…違う、違うんだよ赤ちん。俺はただ、あの人が…ううん、何でもない。今度聞いてみるよ」
(赤「…?あ、あぁ」
紫原はそれ以降、自分から話しかけては来なかった。
何か考え事をしているようだったし、悪いと思って俺からも話しかけなかったため、始終無言だった。
でも先輩は寂しがり屋だから、できれば嫌わないでやって欲しいというのが本音だった。
しかもあの人はそれを人に知られるのを酷く怖がる節がある。
もう少し、俺達を頼ってくれたって良いのに…
やりきれない思いは吐き出す場所を知らずに、心の奥底に蓄積されて行く。
やがてその思いを受け止めていた花瓶は負荷に堪えられずに壊れてしまう。
だから、解消方が必要なのだが、それは先輩が心を開いてくれないとどうしようもない。
とりあえず今は、花瓶に蓋をしておけばいい。
こぼれた思いは忘れてしまうけれど。
…そういえば、青峰は俺が何かを忘れていると言っていたな。
あれは一体何なのだろうか?
94人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海月 - コドモアソビでしたっけ?あれはつくった曲ですよね!? (2018年3月31日 13時) (レス) id: 534fdfd1d0 (このIDを非表示/違反報告)
影 - メッチャ面白いです!ギャグも入ってるしホラーはちゃんと怖いw続き楽しみにしてます! (2015年10月26日 18時) (レス) id: 1fa7448f4f (このIDを非表示/違反報告)
涼ースズー - 私もゾンビ狩りしたいです!!! (2015年9月30日 22時) (レス) id: b08690dd4e (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - どうでもいいコメントしていいですか?← 幼児ココアよりアンパンマンカレーのほうが美味しいですよ← (2015年9月24日 22時) (レス) id: 923a1e5d93 (このIDを非表示/違反報告)
novel - 初めまして!すごく面白いです!早く続きが見たいです!更新、頑張って下さい!応援してます! (2015年9月9日 23時) (レス) id: 5956e8d0c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ