検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:23,891 hit

赤司がホイホイだった話93 ページ13

赤司side


俺が制服を脱いで練習着に着替えていると、先輩は思い出したとばかりに左手を右手でぽんと叩いた。


ちなみになぜ先輩がまだここにいるのかというと、出ていってくださいといっても出ていかなかったからだ。


先輩曰く、女子と違って見られて困るものでもないでしょ?だそうだ。


流石に下を着替える時は下を向いていたけれど、男子にだって羞恥心というものがあると思うのだが…


(貴「さっき、徐々にハラワタが千切れていくっていったでしょ?あれね、いきなり千切れて死んじゃうって訳じゃないんだよ」


(紫「え〜、そうなの?」


先輩の弾んだような声に、紫原が間のびした声で返事をする様は、少しだけシュールだった。


(貴「子供たちに選ばれると、呪いをもらうんだけど、まず始めに熱が出るらしいの。そして猶予は一週間」


(紫「ふ〜ん…Aちんって、こういうことに詳しいよね」


(貴「そ、そうかな?」


先輩は何故か嬉しそうに頬を赤らめる。


心霊系に詳しい、というのは彼女にとっては誉め言葉に分類されているらしい。


(貴「それでね?体の何処かに痣が出来るんだって。その痣は一週間後に首に到達して、呪いは完成…宿主は苦しみながら死んでしまうんだって」


ありがちな呪いだな、と思った。


それと似たような話は他にもいくつか聞いたためしがある。


勿論、その全てが先輩から聞いた話なのだが…


(紫「…なんでこの歌、広がったんだろうね」


(貴「確かに…そうだね。今まで対して有名でもなかったのに…」


(赤「部活が始まるよ」


やや強引に話を切り替えた俺を、二人は不思議そうに見ていたが仕方がない。


本当に部活開始までもう時間がないのだ。


先輩も紫原も時計を見てからはっとして、急いで腰を上げる。


正直、先輩は部室でゆっくりしていても構わないのだが、深くは追求しないことにする。


(赤「先輩、部活を見学していきますか?」


先輩の顔をチラリと見てから、確認を入れる。


すると先輩は少し申し訳なさそうな顔をして、やんわりと首を横に振った。


(貴「私、バスケとかあんまり分かんないし…邪魔になっちゃうからいいよ」


(赤「そ…うですか」


少し落胆してしまったのは否めない。


結構ギリギリまで部室にいたため、てっきり見に来てくれたんだと思っていた。


どうして見てほしかったのかは、正直分からないけれど。


またね、といって体育館から出ていく先輩の背中が、やけに小さく見えた。

赤司がホイホイだった話94→←赤司がホイホイだった話92



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
94人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 赤司 , ホラー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

海月 - コドモアソビでしたっけ?あれはつくった曲ですよね!? (2018年3月31日 13時) (レス) id: 534fdfd1d0 (このIDを非表示/違反報告)
- メッチャ面白いです!ギャグも入ってるしホラーはちゃんと怖いw続き楽しみにしてます! (2015年10月26日 18時) (レス) id: 1fa7448f4f (このIDを非表示/違反報告)
涼ースズー - 私もゾンビ狩りしたいです!!! (2015年9月30日 22時) (レス) id: b08690dd4e (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - どうでもいいコメントしていいですか?← 幼児ココアよりアンパンマンカレーのほうが美味しいですよ← (2015年9月24日 22時) (レス) id: 923a1e5d93 (このIDを非表示/違反報告)
novel - 初めまして!すごく面白いです!早く続きが見たいです!更新、頑張って下さい!応援してます! (2015年9月9日 23時) (レス) id: 5956e8d0c6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:腹黒さん★ | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2015年8月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。