赤司がホイホイだった話93 ページ13
赤司side
俺が制服を脱いで練習着に着替えていると、先輩は思い出したとばかりに左手を右手でぽんと叩いた。
ちなみになぜ先輩がまだここにいるのかというと、出ていってくださいといっても出ていかなかったからだ。
先輩曰く、女子と違って見られて困るものでもないでしょ?だそうだ。
流石に下を着替える時は下を向いていたけれど、男子にだって羞恥心というものがあると思うのだが…
(貴「さっき、徐々にハラワタが千切れていくっていったでしょ?あれね、いきなり千切れて死んじゃうって訳じゃないんだよ」
(紫「え〜、そうなの?」
先輩の弾んだような声に、紫原が間のびした声で返事をする様は、少しだけシュールだった。
(貴「子供たちに選ばれると、呪いをもらうんだけど、まず始めに熱が出るらしいの。そして猶予は一週間」
(紫「ふ〜ん…Aちんって、こういうことに詳しいよね」
(貴「そ、そうかな?」
先輩は何故か嬉しそうに頬を赤らめる。
心霊系に詳しい、というのは彼女にとっては誉め言葉に分類されているらしい。
(貴「それでね?体の何処かに痣が出来るんだって。その痣は一週間後に首に到達して、呪いは完成…宿主は苦しみながら死んでしまうんだって」
ありがちな呪いだな、と思った。
それと似たような話は他にもいくつか聞いたためしがある。
勿論、その全てが先輩から聞いた話なのだが…
(紫「…なんでこの歌、広がったんだろうね」
(貴「確かに…そうだね。今まで対して有名でもなかったのに…」
(赤「部活が始まるよ」
やや強引に話を切り替えた俺を、二人は不思議そうに見ていたが仕方がない。
本当に部活開始までもう時間がないのだ。
先輩も紫原も時計を見てからはっとして、急いで腰を上げる。
正直、先輩は部室でゆっくりしていても構わないのだが、深くは追求しないことにする。
(赤「先輩、部活を見学していきますか?」
先輩の顔をチラリと見てから、確認を入れる。
すると先輩は少し申し訳なさそうな顔をして、やんわりと首を横に振った。
(貴「私、バスケとかあんまり分かんないし…邪魔になっちゃうからいいよ」
(赤「そ…うですか」
少し落胆してしまったのは否めない。
結構ギリギリまで部室にいたため、てっきり見に来てくれたんだと思っていた。
どうして見てほしかったのかは、正直分からないけれど。
またね、といって体育館から出ていく先輩の背中が、やけに小さく見えた。
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海月 - コドモアソビでしたっけ?あれはつくった曲ですよね!? (2018年3月31日 13時) (レス) id: 534fdfd1d0 (このIDを非表示/違反報告)
影 - メッチャ面白いです!ギャグも入ってるしホラーはちゃんと怖いw続き楽しみにしてます! (2015年10月26日 18時) (レス) id: 1fa7448f4f (このIDを非表示/違反報告)
涼ースズー - 私もゾンビ狩りしたいです!!! (2015年9月30日 22時) (レス) id: b08690dd4e (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - どうでもいいコメントしていいですか?← 幼児ココアよりアンパンマンカレーのほうが美味しいですよ← (2015年9月24日 22時) (レス) id: 923a1e5d93 (このIDを非表示/違反報告)
novel - 初めまして!すごく面白いです!早く続きが見たいです!更新、頑張って下さい!応援してます! (2015年9月9日 23時) (レス) id: 5956e8d0c6 (このIDを非表示/違反報告)
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