【黒バス】(貴「赤司や赤司や赤司くん。」(赤「何ですか？」(貴「君はなんでホイホイなんだい？」(赤「知りません。」part3

赤司がホイホイだった話91 ページ11

赤司side


あの合宿からすでに三日が経過しようとしていた。


あの夢から覚めたあと、最初に目に入ったのは黒子の焦ったような顔だった。


どうやら様子を見に、もとい休憩がてらに部屋に入ってみると青峰は爆睡、そして俺は酷くうなされていたらしい。


そう言われて初めて俺は、あの夢を見ているときに自分がうなされていることに気がついた。


黒子に数分間質問責めされたあと、かるく汗を流して再び部屋で休養をとらされて、あっさりと合宿は終わった。


念のため家に帰ってからもゆっくりと休めと言われたが、合宿での遅れを取り戻すために自主トレをしたことは言うまでもない。


体力というものは案外すぐに落ちるものだから、せめて休んでしまった分だけでもこなしておきたかったのだ。


そこまで考えて、チャイムの鳴る音にはっとする。


先生の号令を合図に本日全ての教科が終わり、これから俺にとってはほとんど久しぶりの部活になる。


少し胸を弾ませながら、鞄の中に教科書や辞書を詰めこんでいく。


自主トレはしたが、皆とバスケをするのは久しぶりなので楽しみだった。


椅子を引いて静かに立ち上がり、教室から出て真っ直ぐ体育館へと向かう。


一瞬先輩のところへ行こうかどうか迷ったのだが、部室にいるかどうか曖昧な人なので止めておく。


ぐるぐる学校を回っていては、部活の集合時間に遅れてしまう。


主将がそんな有り様では、他の部員たちに示しがつかないし、合宿のこともあるので急がなければならない。


忙しい一日のようにも感じられたが、その程度の平穏さがむしろ微笑ましかった。


俺は口許がだらしなく緩んでいるのを直さずに、目的地へと歩を進めた。

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