どうやら私はさつきとの約束を破ることになりそうです。【黒子のバスケ】

第39Q ページ3

それから帝光中バスケ部は、勝つことだけを目標に進んでいった。



力合わせることなんて、もうない･･･




今日の試合も、みんながさらにバラバラになった。


赤司も、緑間も、紫原も、黄瀬も、青峰も･･･



なんで、そんな顔でバスケするの？

バスケってそんなつまらない？




観てるのも辛くなるような試合。
勝っているのに、全く喜べない。



みんな、笑わない･･･



私も、笑えない･･･






桃「テツ君、一緒に帰ろー！」

黒「いいですよ。

Aさんもどうですか？」


変わってしまった青峰の近くにはなかなか行けなかった。



でも、あまりテツヤにも関わりたくない。

今だって、さつきは目で訴えてる。


私は、テツ君と2人で、帰りたいのに･･･って


可愛いってずるいと思う。


『あ、ありがとう。
でも私いいや。1人で帰れるし』


無理やり口角を上げて言うと、テツヤが何かを言いかけた。

言いかけたって言うのは、遮られたから



青「じゃ、俺と帰ろーぜ、A」



珍しく部活に来ていた青峰。



『･･･うん、いいよ』


そう言うと、テツヤが、ムッとした顔をした。


黒「なら僕も一緒に帰ります。」

これまた珍しく、拗ねた口調だ。



青「あぁ？お前はさつきと帰れよ」
黒「僕はAさんとも帰りたいです」
桃「私はテツ君と帰りたい」


『もうさ、みんなで帰ろ･･･』



私が歩き出すと、テツヤが後を追ってきた。



黒「Aさん。」



なーに？




黒「僕は赤司君が変わって、部活もみんなも変わってしまったと思います。



こんなバスケ部は、バスケは、嫌です。

勝っても嬉しくないなんて、喜べないなんて、喜ばないなんて、おかしいです。」


後ろから2人があとを追ってくる。



『私もそう思う。


もう、ここにいるのも辛いよ･･･』



青「は？何の話？」



『あんたには関係ない、青峰』



すると、青峰が口を尖らせた。


青「なんだよそれ」
『別に、本当のことを言っただけ』
青「そうじゃねー。
なんで、名前で呼ばねーんだ？」



そう言えば無意識のうちに、苗字呼びになっていた。



私は星空を見上げてボソッと声を漏らす。









『大輝が変わっちゃったからだよ、ばか』


私のつぶやきは誰にも聞こえることなく、夜空へと吸い込まれていった。

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