【完結】知らなかっただけ【逆先夏目】 (ページ5)

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記ページ5

「 A 、勝手に入っててごめん . 」

「な、？！？！なんで居るの .. ？！、」

驚いた。
だって部屋に凛月が居るから。

凛月がベッドに腰を掛けて難しそうな本を読んでいた。

「ねぇ、その花どうしたの ? 。」

、" なんで居るの ? " なんて私の質問には答えずに質問を投げ掛けてくる凛月。

「いや＿＿＿、夏目くんに貰った .. ? 。」

「ふ - ん。」

聞いておいた癖にそっけのない返事。

ほんとに。

猫みたい＿＿＿＿＿＿。

静まった空気に凛月が小さく言った。

「ねぇ、気づいてないみたいだからこの花の名前教えてあげようか ? 」

、

こくりと頷いた。

『リナリア』

ぞくりと恐ろしい程に鳥肌が立つ。

ああ、思い出した。

なんで思い出せなかったんだろう .

「 Aならわかると思ったんだけどねぇ。
　ほら言って来なよ、待ってると思うよ。」

行かなきゃ、彼のところへ。

「ねぇ、凛月。今更遅いかな ? 。」

、

「まだ間に合うと思うけど ? 。」

扉の前で立ち止まった私に凛月はそう言った。

いつものような声で。

見えないけれど私の後ろできっと凛月はいつものように優しい表情を浮かべていただろう。